式ひと月前、苗字も既に変わり、心境聞いてみようかな?
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糸原が報われたって泣いちゃうよ明日のバイト行きたくないよ
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ろっかげつ結膜炎がなおらないわたしだけ変われない
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1999年あの夏に終わらなかった世界で食らう芋スイーツ
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鮮明に覚えてるのは 初日の帰り 膝で震えてた真っ白こねこ
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長女猫あのことの思い出だけは辿りたい けれどだんだん遠くなっちゃう
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過去の辛さ 思い出さなくていいんだよ 記憶の蓋が たまに開いても
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祖母呆けた母呆けている遠からず来ちゃうだろうと身構えて待つ
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乾電池もう一努力しなさいと温め擦りまた詰め直す
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都市なれば河も手すりにつかまってスロープを下るように流れる
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あとわずか DVDの返却日 滑り込むため 駆け込み視聴
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小腹空き 深夜に食べる わらび餅 スルッと食べれて 口どけよろし
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街中の人々はみな幸せでやりがい目標お金もあるよね
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怖くない突っ込むならばこっちだよ。上手く行ったら一瞬で逝く
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辛いけど他人の夕餉の窓明かり幸せそうで泣けてきちゃうよ
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「無理です」と言ったら代わりが居ないから、合羽羽織って買い出しに行く
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吸盤の吸着力が無くなると頑張ろうなと温め洗う
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あの推しの 歌が聞こえる Spotify 今日も誰かが 音に溺れる
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ボロボロと 日焼け止めが 固まって レオパのような 抜け殻になる
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スマホから キミの声が 流れてく 空気が変わる 今日も眠れる
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大丈夫 この世の全ての人間は着ぐるみを着て生きているから
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いつ来ても小さな声の新人が接客してる京都料理屋
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虹の橋 長女猫あのこが待ってる せつないね 楽しく待ってて いつかみんなで
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いと強し 優勝決めた タイガース 残暑の西に 歓びもたらす
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老眼で 手はブルブルで ひざいたで それでも行きたい ボランティア
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張り切って 腰を痛めた 我が妻は 快復の道 油断ならずか
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電話魔で 遠ざかる人 次々と 受信拒否にて 項垂れる友
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高校の 同級生と 飲み明かす 互いの白髪 古希は近づく
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この道は 友のおかげと 思い出す 薄情なりし 我なりしこそ
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赤羽で 新聞少年 懐かしき 友と過ごした 楓荘見ゆ
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