蒸発す太陽の涙今もまだ地球人は知る由もない
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義母かあさんパパが買ってきてくれたよ おはぎそなえた義母ははの命日
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病床で高い発熱赤面の君を見つめる僕はひまわり
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夏終わる金魚の群れの死するまで鰭濁るまで語る悲歌なし
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北に行く列車に乗りて冷房車きっとこのままシベリア送り
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引き延ばす癖が抜けないあの人も遺書はきっちり期限前提出
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「空けてきた」 夜空に漏れた太陽光 指差す君はアマテラスかも
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「人でなし」と言われていつも嬉しくなるエイリアンと呼ばれた君と
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配信をやめないで欲しと願い込め君と歌にたまにいいね
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どこそこの専用パレットうちに来た 北から南旅してるのか
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精算機りは800円なのに小銭で1000円お前も夏バテか
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母背負い歩く夢から覚めた朝 寂しさよりも 逢えた嬉しさ
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母逝きて十数年が過ぎた秋スマホアドレスついに削除す
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手土産のケーキつい一個余分に買い 早歩きで坂を登り息切れ
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親指で終わりなき夜のYouTubeひとりぼっちで親指あはれ
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幼な子の澄んだ瞳と「バイバイ」が 頑張るおばちゃん達へのご褒美
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ふわふわの クリーム乗った カプチーノ 午後の気力を 生み出すクスリ
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体感はまだ真夏でも夏服は軽薄だネと九月が嗤う
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栄養と食べたい物と予算内条件並べそれからそれから
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よく眠り食べては眠り息をするちくわの穴に吹き抜ける風
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利き腕にかたぶく重心コロナゆゑ千鳥足にて揺るる視界は
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「日本は 家賃あげにくい国」 残念がるは 日経評論家
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暗黙に仮想敵国現実の敵国となり 恐怖に拠る淘治
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処理水と訓じたることただちには影響なきこと国のいふこと
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盛夏超えはつか色づくサンゴ草バスの窓より瞬時眺むる
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夢の中電話のベルに起こされて取る寸前に鳴り止む無駄骨
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クールバブ 次の一箱使い切る頃には 残暑は去るのだろうか
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路傍に ゆうべの糠雨ぬかあめ 水溜まり く足踏めば 青空の波紋
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大きめの座椅子ふたりで陣取って わが猫らの寝顔しあわせそうで
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外国で地震起きても寄り添えず朝に追われて夜は逃げてく
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