この地球ほしに真っ赤なジャムを塗りたくり食べようとする奴ばかりだな
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俗物は素敵なものが欲しいけどお金ないからJAMなど歌う
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うちの子のようにじゃれたりつついたり追いかけまわす雀の子二羽
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「来年の夏も回れ」と扇風機倒れて取れたネジ締め直す
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ミシン目が僕らの間に見え始め近い将来別れる気がする
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食べ物が3つしかない町ですら 私の恋は風景になる
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奮発して買った1500円の目薬200円との効き目が不明
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会社辞め犬の散歩と布団あげ日課となりて一ヶ月たつ
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処理水を汚染水と騒ぐ人ら無責任な言葉に呆れチャンネルを変える
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笑顔にて安く買ひたき私と高く売りたきディーラー対す
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スカートにジーパン姿も驚くがさらに縄など腰に巻きをる
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翌朝の西空 満月が少し欠け初めているのがみえる
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やけくそか アリ避けの粉も 何のその 働きアリや そんなのアリか
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皮肉にしか 聞こえぬ世辞を 受け取って 返せぬことを この泡沫うたかた
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檻を出て赤く染まった唇が あなたの味方でありますように
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秋の空 女ごころに喩えられ 月に一度より多く翳りて
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来年のおせちの予約がちらほらと 広告出始め 敬老の日もまだ
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未加工の叫びを聞きたくないのだろう(イヤホンをねじ込んでいる(私も
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積読を並べて背表紙を眺める 秋の夜長の供をよろしく
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核施設 つくればそこが ねらわれる 中国や北に 近い日本海沿 /対馬市が核処分地に名のり
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きことのついに妻まで及びきて検査キットにT線現わる
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黄金色こがねいろ ススキ美し 切手かな 花言葉通り生き生きとして
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君のいない場所はさびしくつらかったですと言えたらどんなにいいか
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ゆびさきに 愛情100%パー込めて撫で 目を細めるねこ 母もおなじく
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その段を読み終えた日にこの夏に初めて開く夕顔の花
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もういちど出会いから繰り返そうか欠けゆく月を目印にして
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昨日まで降り注いでた虫の音が地より沸き立つ月をさがした
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六秒を過ぎて居座る静謐で比喩の皆無な殺意とともに
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明日から脱毛サロンに通います 早く君に、君になりたい
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結局はどこの水でも辛いでしょ 死にたがり屋のインターネットは
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