寝顔見て生まれた頃を懐かしむ 明日は君の誕生日
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覚めないで 夢でもいっそ このままで  幸せ感じ ひそかに思う
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夜が明ける夕日が沈む夜になる繰り返しこそ素晴らしき日々
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焦がれても かなわぬ思い 燃え尽きず  いつしかそれは 執念になり
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先導はヨシガモ横綱ハクチョウの露払いかなオナガガモ
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もう二度と義姉あねが戻れぬ家の鍵何を逆らう扱いにくし
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下校中拾った一円交番に届けましたよ迷惑でした?
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俳優やスポーツ選手呼び捨てにされる慣わし気の毒過ぎる
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敬称や肩書き省き呼び捨てに俳優さんやスポーツ選手
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眠りつく象が瞼を閉じるようにバスがライトを消す営業所
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当てのない旅をしたくて乗るバスが循環バスでまた駅に着く
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いちばん奥の奥の部屋 シングルベッドが広すぎることってあるんだ
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心から溢れた「またね」が困らせた 俯いた君  嘘だよ ごめん
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良い町の記憶と匂いを吸いこんで栄養にして光に向かう
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寝室に仮眠しに行く おかあちゃん ちま猫ちゃんが じつとみつめる(ついていこうかにゃー)
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今まさに寝落ちしそうになりながら ねこのおやつを両の手に乗せ
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今朝の空絵の具を使いえがきたい 青と白を混ぜて空色
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救いなくこんな惨めに彷徨った日々が幸福だったと知れる日が来る
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秘密裏に調査・調達・保管する世のサンタたち始動の季節
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祖母の手に見える干し柿焦茶色しわくちゃだけどそのぶん甘い
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枯葉舞い通りに溢るる喧騒に耳をそばだて移ろいを知る
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雨雲に かわず蛙鳴く頃 去る君に 吾が手触れらることぞなかりき
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われひとり身を刺す北風止められぬただ共に在る違わぬ約束
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山々の生み出すものも人間がつくる文化も美しあの町
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ようやっとが手に得たと誇らしげページをめくる雨降りの午後
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老体の 桑の木抜かれ 露地ものに かつての殖産 過去の遺物に
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寒さから解放される一瞬に今がチャンスとストレッチから
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帰路を行く視界いっぱいマジックアワー「あと少し」励ますような宵の明星
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扉閉じ  密かにもゆる  夜の折  火照る体感  肌に伝わる
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商店街週末催事準備に追われる肉屋朝早くから
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