けさ見れば 雲閒くもまにけぶるひむかしの あけゆく空におほし朝日子あさひこ
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記憶にあるのは 静かな夏 真昼 君が初めて 笑ったあの日
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君とした貯金 玄関の子ブタは 腹をすかせて 君を待ってる
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「迷わない、君のためなら」 そう言った 乾いた写真 懐かしい人
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教会に行くにはちょこっと間に合わぬ 今日も賛美歌スマホで聴こう
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我が人生後悔残るはひとつだけ 貴方に会って謝りたいだけ
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嫁の実家山奥扱いする旦那 そりゃあ虫の音は聞こえるけれど
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君は今 どうして僕に 微笑んだ 早く聞かせて 恋を急かして
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朝一番旦那にラインし ねこたちの様子を聞けり もう会いたいな
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お仕事に行かない朝は静謐で本物の富がここにはある
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ため息をつく君 どこか哀しくて ブルーな恋に 染まっていたの
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うたよみの潜る廃坑つるはしとジーンズなどを売りさばきたい
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鼻柱と 頬骨と目と その爪を 並べて眺めて みたいと偏愛。
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曙は  村に音を返す時 カラスの声に船に魚に
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幼き日 祖母に抱かれた 温もりを この細胞が 記憶している
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引っ張って 軽快な音で スクロール みえた言葉の はしを探して
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「アイビーの 絡んだ家が 無くなった。」 「今頃くじらの 胃の中だろう。」
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ほんとうはぼくたち魚だったのにヒレがないのは少しさみしい
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いつの日か君を嫌いになるけれどこの日の好きは忘れないから
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はじめてのチョコレートは溶けていく 舌に残ったあまい後味
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おおみずや ひでりつづけば きがかれて ほすいりょくおちて さばくになるか /妄想
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ヤクもって こうかあるなし ひによって よなかのはいかい いつかおもいで。 /ドリエル
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虫の音に目覚め薄闇ひんやりと朝か夕かとしばし哀しき
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肘ついてテレビ観ながら食事する。子が出てゆけば母脱ぎ捨てて
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青森のなまりを聞けばお互いにわかんないねと言ってる秋田
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息子から二ヶ月ぶりに来たライン右側通行交互になった
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ヒトはまだ増え続けているようなので、ここでの生産は止めておく。
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選ばれて朝刊に載る師の歌を指でなぞりて 声が聞きたい
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せめぎあい常識守る私いて 破ってやりたい自分もいる
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かぐやなる君が羨むあの星を模して空けようクレーター一つ
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