ちと高いシャンプーなんぞを買ってみる 恋するオバハン死ぬまであらが
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つり革の 持つ手じとりと 耐える間に 着きて涼しや いざゆかん
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払っても払ってもなお砂が出る 子どもの服は四次元ポケット
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旅先でいつも妄想するんですこの街に住む私のことを
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小二女子砂場で山を作りつつ ブラック企業の話をしており
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「まっさんの」ニッカウイスキー工場へ試飲のできぬ夫横目に
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気に染まぬモノ事今はガチャと言う 自分おのが引き寄せし天の配剤を
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釣糸を垂らすのやめた釣り人を いったい何と呼べばいいのか
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今週の用事は今週済ませよう まず道に迷い 初来店カフェ
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平日の河川敷のグラウンド 転がるボールが私みたいで
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ミニ牛丼 山かけ、納豆、ちょいわさび 飲み物よりも飲める食べ物
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言の葉が変わりゆくのを忌む人も 拙者やござると言わぬだろうに
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会議中 息を潜める 隣部屋 空気感じる 見えない勇姿
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寝るときも目覚めた時も隣にはカミさんいない何時いつ寝て起きる
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保育園君は今何してるかな我が子の時は考えもせず
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抱っこひも初めて着ける感覚を九年待ってパパは味わう
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インクのシミ もうちょっとで落ちそうで  今朝のお仕事 みんな棚上げ
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ルーティンで意味を流して聞く曲の歌詞を再び聴き直す夜
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日が延びて「捜しています」自治メール「見つかりました」小さく安堵
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通院の車窓に現る大仏殿の屋根がどーんと励ましくれる
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ちま猫ちゃん どあをあけるの とくいだよ ぼーるあそびも じょうずなんだよ
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ハッピーに過ごしましょうねと言い合うが 今日は朝からりんご落とした
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完璧を 求められると バグりだす 果てなく続く 「もう少しです。」
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散り時を謀りているやチューリップを揺らしつつ「水無月ですね」
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ゲジゲジに水をかけたら丸まって花に水やる如雨露はゾウさん
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ダンゴムシこんちゅうじゃないってしってた?すぐに言いたい兄の受け売り
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なんやなぁ東京砂漠や同期吠え首都高はしりとほくの寮へ
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あなた一瞬で華やいだの 儚いサクラ色の生き様をみる
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一聴に愛があふれるこの気持ち盛りこぼしたる升のよい酒
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語る口語られる声雰囲気にひゃっくりさえも吾の心刺す
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