いつだって 力いっぱい 生きていく あなたはいつも 私のおひさま
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きたる ピアソラ聴けば空も風も 哀愁帯びてゆくこの不思議
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ざくざくと落ち葉踏み手に拾う子も母も父もが葉の海の中
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思うより海は広くて深いもの飛び込むことは何度もできる
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一人では生きていけない筈なのに助け差し出す手を絶ち切った
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夏籠りでなまった身体からだ解き放ち 歩く 歩く 私の季節だ
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ねこおもちゃ ねこ母ベッドに持ち込まれ 置いてゆかれがち「お供え」と呼ぶ
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人と人比べてみたら辛くなる誰かが言った「気にすんな」って
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お月見で使ったレモンが余ってて 瓶はないけど はちみつレモン
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形ある物はいつしか壊れるが イベントものも廃れてゆくか
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ぬくいのをおともにしようと思い立つ雨の気配の朝は肌寒
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栗色の髪をなびかせ行く人に君を想いてぢっと見送る
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亡き父を嫌ってたけど月日経て同じ短歌の趣味を持つとは
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mメーター足りなかったか電源のケーブルちょっとおびにたすきに
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朝明けに 長袖羽織る 肌寒さ 四季の変わり目 ゆるく線引く
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夜の雨 名残りの暑さ浄化する やっと会えたね秋衣達
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曖昧な不安に追われ逃げたくは一人でいかず 道連れにして
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雁わたる都の空は雲晴れて傾く月に衣打つなり
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私より少し大きくなった玉 落ちるな登れ虹をつかめよ
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早朝にカーテンあけて 気づかされ 窓際のひんやり 秋の深まり
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最初のまえ じゅうじつした無 過溶解 もうじき結晶 びっくばんの。/おみくじ短歌
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とうとうとやってきたとおのつき昨日まで夏ではなかったか
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街中に反芻されたあの時の 言葉が僕と同化していて
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幾千の棘やわらかに宵の雨 ひりり撫でゆく腹の裏側
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どこか外猫の声するそう言えばうちのチビスケ気配が無いと
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俺はみんなを見下している。いや、俺がうつむいてるだけなのか?
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遺書に似た日記をつけて綴じ祈る 今日よりマシでありますように
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湯に浸かり どこかに短歌うたは落ちてないかなとキョロキョロ そのうち茹だる
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空間を にぶんするには 閉空間A つくればAの うちそと二分 /幾何短歌
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あさがおの はなの端側 伸展し 萼までのばし しぼればドーナツ形 /幾何短歌
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