知ってるを知らないことにできる君君は全身鷹の爪だね
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いつの日か思い出すのだ見逃したケサランパサランこの春の
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調子乗りスマホ決済慣れた頃ポイントカードは財布の中で
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一粒でほか弁買える褒美チョコ 特別美味いと舌に言い聞かせ
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さりげなくピンク着こなすお爺さん 来院のたび 我が身省みる
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何事も すぐに飛びつき 諦めない この性格が 案外好きだ
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たんぶらー あらうあなたのながいゆびおくまでとどきちょっとあからむ
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旦那氏は「さがしといてねー」と軽く言ふ まあ好きな店えらべるけどね
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もうそろそろ 我の誕生日の店を 自ら物色 サプライズて何?(笑)
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今週中 薬局・美容院行けたらと 諦め混じりにハードル下げる
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折々の地味な痛みは「こわばり」の言葉が合うと今更ながら
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雑草という名の草は無いと言うけれどゴメンね草むしりする
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うんうんと唸ってひとつひねり出し楽になりたい今朝の出来事
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ニャルソック わが猫ら あまりやる気なさげ よその猫たちはキリッと窓辺に
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「年齢を3で割って2を掛けた回目」の今日は結婚記念日
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我ももう病院増やしたくもなく りんごを毎日せっせと食べる
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峰々の色づく秋はくれなゐに水くくるらむ天の川浪
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投げた球追って帰ってこぬ犬は六文銭もきっと渡せぬ
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神奈月 紅葉主役を明け渡す 三十一日かぼちゃ行列
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色づいた銀杏並木に珈琲の香りが溶けて水彩のよう
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知らぬ間に ガソリン満タン ありがとう 高級菓子かくす妻にも救いの手
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目覚めても この世に二人しか らぬかと つとに老妻 いたわるあした
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ゴミの日にまた捨て忘れ破れ傘 あんな黄色く光ってるのに
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三センチ裾だししたよ 半年前 くるぶし出るの?衣替え忙し
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醜聞は深く刻まれ名は消えて一つの時代幕を下ろす日
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はっきりと誰か教えてこのビール上がってんのか?下がってんのか?
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無意識に お湯で洗顔 ほっと息 寒かったのか ぶあつい靴下
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稲妻の閃光 雷神の怒号で ビビビとゆれて 静かな夜に
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松茸に 財布はたいた 甲斐あった 痛快息子ら 秋の食欲
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歯車が一途に回るしとやかな音の棺となるオルゴール
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