産院の扉くぐって来た子らが焼き場の重いドアから帰る
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芸能人覚えるために生きているわけじゃないってテレビを消した
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闇深く 夜明けも遠き午前2時 朝起きられたら美容院行く
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米びつの横の棚にぞ押し入りて お茶とちま猫、ハロウィンギフト>並んでる(笑)
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涙って頬に触れるとあたたかい雨粒よりも心に近い
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うるさくて眠れないから隣室に言うか言わぬかメイクしんどい
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手が届くように大きな月の夜初めて母に「お前」と言った
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一ページめくっていくたびあの時のやりきれなさが輪郭をもつ
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よじすぎに ろくじのたそがれ やってきて ああっとかいってる じゅうがつついたち
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秋茄子をななめに切った同じ刃を首元にあて虫のを聞く
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ユーチューブコメント欄に返事ありファンレターとも同じ高まり
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おつかいの使いが荒い留守番の気づかい固い期待でみちる
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見出し語が「やっぱり9月も暑かった」 名言みたいに言わないで欲しい
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今日もまた生きていきたい「おはよう」とVtuberにコメントする
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巧まざる七七を聴くデモの中「生活保護はみんなのものだ」
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マイタオル 温泉用のをよけてある 入浴剤の温泉だけどね
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雨落ちる 露天風呂にて 海眺む 音もなく行く 遠き帆船
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ティーポット宙舞う茶葉が沈みゆく この数分のための一日
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聖帝の 「愛などいらぬ。」 よくわかる 愛したことで ツラく哀しい
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シンデレラになるのは無理だとしても、ガラスの靴を、履いて生きたい。
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もう触れぬ 手は切り落とし 涙する 眼はくり貫いて 心はそらに
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ゴミ捨て場 原稿用紙 散在す かすかに漂う夢の残滓
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自分作クソダサ映画で泣いている 好きだったのにわかってたのに
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背表紙をなぞる手つきでわたくしのせなもひっそり触ってほしい
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褒め言葉 受け入れ準備万端です 褒めて伸ばして欲しいタチです
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年相応 そんな言葉は知らないよ 私は私の価値観で生きる
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筋子はららごをそおっと取出す指先に触るる凹凸命幾千
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いつの日か忘れる時が来るだろう 今までだってそうだったんだ
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思い出は綺麗なものときいたけど 綺麗なままで忘れていきたい
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白河の関越ゆる雁ことづてむ霞とともにたちし都に
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