身も凍るくらい厳しいおんもだからね わたしの温度に帰っておいで
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ご両親の次にいちばんあなたのことを愛するわたしがいると知ってよ
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ひとびとにもらって返しきれないものを短歌にそっと編んでは放す
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頓服を飲んでオレンジカモミール 疲れてるはず何故 中途覚醒めがさめる
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虹を見た 綺麗な七色なないろ くっきりと 大きなみごとな虹であったよ(何年ぶりかなぁ)
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湧き上がる不安がついに飽和して濃霧の中に力付きている
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意味もなく起きている二時寝れなくて 空を眺めても月は見えない
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太陽に忘れられてる月の裏 冷え性な私の足の裏
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迷い込み部屋から出られなくなったお邪魔虫を看取るLED 
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「高倉健絶滅してる?」と聞く君に 思わず吹き出す冬の夕暮れ
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高知三重 静岡長野 愛知すぎ 爆速列車 息継ぎもなく
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わけあってかえりにたべたにくまんがすこしゆうきをくれましたまる
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主人公ヒーローになると都会に出たきみの映画のエキストラになりたい
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死の淵に立って戻った辛さとは生死を問えぬ悶絶がある
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てきとーに切り抜きまくる人の顔 職場の人で福笑いする
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死ぬことに失敗したから言うけれど生きてる方が楽に逝くのよ
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祈ってるように見えたの我慢することはないから、この指とまれ
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ごめんねの 通知気づかず 一時間 あなたの気持ち 冷める昼食
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百万回生まれ変われば君なしで生きられるよう進化するかも
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こっちから ちょっかいだすと イヤがって 何かしてたら 邪魔する猫さ
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いつだってタコスを食べればTuesday TacoTueasdayを友達と過ごす。
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冬の釣り 悴む手指に熱すぎるLINEに三文字いいねと返す
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第二週。粗大ゴミの日、月曜日。白い袋にくるまってみる
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涙する 51N塗った人等しく願う平等のこと
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懐かれる優しさなんて持ち得ないけれどもなぜかそばにいる人
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築かれた価値と倫理が違うから見た目が好きと言えるみたいだ
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消えてしまいたくても 進んでしまうのでしょう 放り出された砂の道
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本日の最高気温は零度未満エンジンかけても氷塊居座る
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ハイトーン 東方越えて 神起こる 耳遠き母 しかと聞きいる
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東京で 君と寝た日の 午前五時 朝日が映す ビルとわたし
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