救急に行くより安い電気代 エアコンひとつで助かる命
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若き日に熱中症で泡吹いて 倒れた苦患くげん、なおさやかなり
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坂の上 のぼってついに 雲に乗り ながめてみると どうもブラック
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付けようかまだもう少し我慢する?エアコンリモコン訊ねてる様で
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水無月も半ばなりても梅雨は来ず ダムの上には降っておくれよ
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きらめいて デートスポット 目映まばゆくも 照明にして 見交わす二人
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明朝に起こされるのも初夏ならば 悪くはないな爽やかな風
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五歳児の今日の塗り絵はプリンセス 髪には赤のインナーカラー/近所の子
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午後出勤 晩のおかずは冷蔵庫へ 手間かかるけど これも愛情 /真夏日
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何事も大袈裟に言う悪い癖言ってやりたいオオカミ少年おとこ
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青空の一朶いちだの雲が白いから残夜の坂ものぼっていける
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寒さから君を守りし冬の毛を  梳いて丸めてそして燃やそう
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満員の電車は二人を分かつとも 左の鼓膜は君が流るる
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わたくしは シフォンケーキを 作る人 とても素敵と 思っています/ ねこ好きさま
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暑い日に涼んだ木の下懐かしく 桜は切られて残る切り株
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いつ期末? 子に問い見れば 目をそらす 今週末と我予測せり
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一人でに涙が滲んで昼の海ひとしずくなんて無いも同じだ
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猫達はいつも口角上がってて皇族ぐらいの素敵を湛え
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どこにでも ついて来たがる 君だけど 特に邪魔にはならないのが良い
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自らが 長生きするので子は不要 つまり、恋も不要なんです
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晴れ晴れと丘の緑に良く通る不如帰ほととぎすの声聴くは楽しき
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永遠の愛 神父はLoveなど言ったけど  私の愛はLove寄りのlikeぞ
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芽ひじきを戻す みなも水面は艶やかに 少女の髪を想わせる黒
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明けぬ夜は ないのが常の ことわりで 日差しは好きだが暑さは嫌い
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右手首 右の耳だけ香水を  君の側だけ私は香る
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エアコンを 上がらぬ肩で 掃除して 去年の汚れ 持ち越したまま
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窓開けて 犬を連れ出し 風当たる  光合成で 晴れやかな胸
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いつ何処で、なんてはっきり分からない いつの間にか惹かれていたから
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左手を掻いて気付いた虫刺され 貴方の好きな夏の訪れ
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詠んでみて 一晩経って 読み直し 昨夜の我の 脳内憂う
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