取りあえず節分らしさをつみれ汁煮豆にそして太巻きハーフ
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腹の立つことありてよりの鬱鬱うつうつ戯れ歌うたひねる間に茫乎ぼんやりとなり
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やわらかな冷気を帯びて立ち上がる獄中のピストル口元に錆び
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亡き彼は 君の心に 住んでいて 君の目を通して 見ているよ
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定例の儀式終えたら鬼さんと福さんも皆仲良く豆食う
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春立ちぬ 日こそよけれと寒波来て 滝行見れば鳥肌の立ち
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理解とは「理性で分かる」ということで こころは未だ無知のただなか
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元気ってどんなのだっけおかしいな疲れたばかり言いたくないのに
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豆にぎり追儺ついなでぶつける鬼はなしいくさなき世の仕合せな日々
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気嵐けあらし追儺おにやらいの 何をかを 松葉に結ぶ 樹氷となりて
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今季最強最長寒波襲来の初体験は竜神の滝
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立春の朝の日差しは透明で隣の家の屋根の雪落つ
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鬼の面つけて変身いざ出陣それは昨日と知った立春
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節分に 『泣いた赤鬼』 思い出す 背中に哀愁 去りゆく青鬼
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犯罪で手が汚れたらなぜ足を洗って更生できるのか謎
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福は内 入り忘れた福居ぬか 寒波来る故どうぞお入り
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同じやつ?忘れたころに襲われる風呂出たあとにぺたりカメムシ
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迷ってる痛がっている逃げている三本立ての夢から覚める
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丸餅に砂糖醤油ときな粉かけハーフアンドハーフ召し上がれ
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忘れられ裏庭に咲く冬薔薇のピンクの花に氷雨の降れり
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もち米の蒸した香りが漂ってブザーを待てず鳴く腹の虫
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雪山で遊ぶ子の髪びっしょりと汗で濡れてる夏を先取り
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寒雀 陽光浴びて賑やかし 寒風に耐へ春を待てをり 
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節分に歳の数だけ豆を食へと言ひける親の声のなつかし
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いつぶりだろう 背伸びをしたくなったのは
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いつか好きじゃなくなるのならその時が今来てほしい 好きを後悔する前に
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苦しさはいつも参考書の形
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死にたい夜に抱きしめて また夜が明けるまで 息をしていられるように
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この豆が二十五粒になる前になんとかしないと死ぬしかなくなる
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カセットをセーブしないで抜くように価値のなかった人生でした
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