涼しくて網戸のままで 実家にて まだ寒くもない半袖部屋着
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冷めきった紅茶をレンジであたためる心の温度は取り戻せずに
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ぼやけてた世界が秒できらめいた 17歳秋コンタクトデビュー
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あの邦画の鑑賞券をお守りのように持ってる夜が滲んでる
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幸せにできないやつは飴細工職人なんかになれやしないさ
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心霊のあるある言いたい 逃げるとき友人おいて逃げていきがち
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チョコレート、身体にとけてゆくときに甘い匂ひのたちこめる脳
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一夜にして好きが普通になってしまう 揺らぎ香る金木犀
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お茶をたて窓から招く秋の風 語り尽くして夢にまどろむ 
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里山の暮らし彩る紅葉と叔母の財布の熊除の鈴
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爺亡きあと神社に住むとう白猫しらたまよキミもひとりで生きてるんだね
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大好きな爺の手のひら夢に見て眠る白猫しらたま寒空にひとり
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散歩道歩数の都合で遠回り傍から見れば只の不審者
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今日一日仕事を終え、さぁ明日のために早く帰ろう
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本屋の書棚で、こんな本読みたかった宝物、みつけたしあわせ、ありがとう😊
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おつかれさま、帰りの電車🚃ゆっくり座って帰りましょう。
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左肩ずらりと並ぶクロゼット君との自撮りに写るのはどれ
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澄まし顔して並ぶ新刊の中、見つけし君の新愛読書
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万葉集いにしへびとの喜楽哀こころ沁みつつ読む万葉集
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歴史あり博物館を巡り行く先人の技おどろき尽きぬ/鑑賞中なう
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信号の変わりて一斉歩きだすうちのひとりに私はすぎず
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好きならばそれでいいやと歌うたう少しの「いいね」期待しながら
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もしかして才能有りと勘違い朝日歌壇でたたきのめされ
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あるあるを早く言いたい今、言うね(だいたいの霊は黒髪ロング)
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インスタで赤ちゃんと犬ずっと見る平和でいいねと娘言う
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新しき老眼鏡を手に入れて刺し子ぐんぐん進む一日
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目一杯遊んだ君の勲章に破れたズボンへワッペンを貼る
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運命じゃなかったんだね剥き出しの心臓を掴み合った不快さ
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ガチャピンよおまえはどこを目指すのか己が極地の地平線行く
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感想文つまらぬものをつまらぬと書くの一体なにが悪い
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