必ずや出くわす級友集メイトつどいおり独り制服その道来たね
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佳子さまがお酌してくれるかもしれんぞよ 歌会始の歌ひねらむかな(さいてー親父①)
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五十年 母が産みたる 長男は 音信途絶え 我も顔忘るる
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通帳のゼロを減らした酒を飲む背中の汗疹にカーテンの後光
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遠くから雷鳴唸る 木々揺れる 冷風吹き過ぐ すわ、大雨だ! 
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来春の歌会始の題は「夢」 夢なき男にこりゃ難し(9月締め切りですよ皆さん)
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しびれた指 ボタンがむずい 出来たらな 着るものすべて マジックテープ
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「お大事に」 皆に言われても なんかなあ からだ大事だけ じゃつまらない 
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新宿のホームで鏡を見つめてる 闘えガール君は綺麗だ
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隠してた学生証を見た君に謝らせた私が悪いよ
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マスカラもチークもやめた ひかえめなアイシャドウ リップとグロスで生きていけるの
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夏は良いって君はいうけどさそれはマイナス−暑さの夏なんじゃないの
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猫柄のカップに カラカラ 氷入れ 冷やしそこねてた午後の紅茶午後ティー・ミルク
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後悔をするほどのときもはやなし健康寿命(男七二・七歳)の命脈は尽き
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アナログの役員多き自治会のLINEグループは目配せをして
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ガレージに寄りかかって錆びた自転車 汽笛の音を内包している
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「愛してる」 関西弁じゃ こそばゆい もったりしてても そら「好きやねん」
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炎天に吾子と収穫プチトマト汗とトマトの匂い漂う
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触るのは怖いけれども三歳は興味津々セミの抜け殻
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野鳥らは猛暑の昼間は唄はずに蝉は午睡をさまたげやまず
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病院へ送った夫の部屋に行く シーツに残る面影懐かし
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まだきっと「ずるい」「苦しい」たたまれて「好き」「愛しい」と同じ引き出し
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真夏日の再入院の個室にて 四角い空を夫は見つめり
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ポケットの中で潰した蝶々の翅を十年先も夢見る
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もう3時 明日は捨てて 起き上がる 今日は地獄で、明日も同様
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辛いままインターネットに流れてく 眠たい寝れない 深夜の3
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柔道と別の競技のJUDOを覚えにゃならん時が来たのか
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あさ夕にゆめを追いかけみる夢はすてきな未来がきっと叶ふと(折り句)
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雀にとパン屑撒けばアリの来て列なし運ぶ巢の在る穴へ
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使いやすく便利になって新登場 端から僕は僕じゃなかった
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