まっさらな刺し子ふきんの束を見て そろそろチクチク再開しようか
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温い風、肌灼く日差し、蝉時雨 ぼんやり歩く真夏の街路
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敗けて光る銀の涙も勝って光る銅の涙も尊くまばゆい
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柔道とJUDOの違い あらためて感じ取るこの世界の舞台
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プチプチとシュワシュワシュワが溶けだして耳にもうれしささやかな日々
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その瞳 因数分解「あい」出ず 万策尽きて 解の公式
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しづかな眼ひかりを宿すみこころの孤独の影を初心で満たして
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玉ねぎをトントントンと微塵切り肉じゃがかなと問う君が好き
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切れかけの点滅渡る利己主義も 無垢な瞳の前では きをつけ
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教養と名のつくものは嫌いです美味しい水も不味くなります
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歓びをぐるり集めて向日葵は私に夏の刹那知らせる
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もう終わりですよと自棄に打ち上がる フィナーレ名乗った炎の魂
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あのひとに内側を明け渡す夜(やさしくしてよ酷くもしてよ)
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匂いたつ薔薇の花びら感じつつ孤独は罪と魂を刺す
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年齢と 心の成長 チグハグで もう限界だよ 大人になれない
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先生がちょっぴり先生やめる時 うちらに見せる表情が好き
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いつの日か 笑い話に なるのかな 心の傷も こらえた涙も
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目を閉じて ダブルベットに 一人きり 遠い未来と 思ってたのに
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独りと独りを足して二人になるほど 単純な関係だったら
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羽衣が夜空に織られ 月光り 星を透けさせどこまでもゆく
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疲れても 仕事休めぬ 繁忙期 蝉の鳴き声 応援歌なり
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君のこと 3,2,1で わすれるよ 私に決めてくれたその手で、
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ぬか漬けを始めるぞ 陳腐な野菜は漬けないぜ 鶉の玉子、銀杏、エシャロット、とどめは硬めのアボカドさ
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ブルーライトで起きる体カーテンは蠢く光覆い隠して
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淀川花火大会よどがわも ちょっと遠いが ドンドコドン チビ猫やっぱりビビってうろうろ
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意味のない上り坂行く夢タバコふかしてふかしもう消えそうだ
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ワーニング まっかな薔薇が歩み寄る君の自信に枯葉剤撒こ
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いま死ねる ドリームガールさようなら消えゆく君にまた会えるかな
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どこへ行く焼き付くほのお若い蝋遠目で眺め まだ死なぬのか
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目をつむり待てども待てど夜のまま君の笑顔がただ浮かぶだけ
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