神は煙草たばこを吸いながら言った 「人間は愚かだ」と
6
可愛いの賞味期限はないけれど 私の命はあと少し。
9
ノート上こする消しゴム消しクズのやり場に困り机の脇に
8
愛してる アイス食う、だよ 噛み合わぬ会話の中で起こった奇跡
12
寒空を 見上げて想う 懐かしさ 変わらぬ夜が 愛おしくて
11
転生は かこやみらいの いきものに たましいかわる あ、きみはぼく /SF
13
きんりんの ひとすまぬいえ とりこわし なんみんなのか 三匹目のねずみ /ねずみホイホイ
14
ただ事でないよと母の顔厳し稲穂倒れし水をかぶりし
10
「人生は絶望である」豪語した 先輩の首にキスマークあり
6
何からも守ってくれると思ってたダウンを通して染み入る夜冷え
12
俺にしか出来ないヤマを片付けた 褒めてもいいぜ嬉しいからよ
11
栴檀せんだんの散りにけるがに待ちわびて贈られし風鈴しきり鳴る
6
返らない愛に怯えるわたくしを笑っているか十三夜月
13
冬支度 タイヤ交換 冬囲い 畑片付け 夜はラーメン
12
好きだとは言えない男性ひとは知っている「思っていない」私の嘘を
15
見た目より中身が大事と言う口で綺麗なパンを選んで食らう
21
珈琲とミルクの境界が溶けてゆく 気持ちの終わりはすべて曖昧で
16
睡眠の質が気になり晩酌に飲む一本ノンアルビール
9
短めの髪にしたよと彼女から言われて気づき鈍感な我
11
深淵の底より我を引き出して 呼びたまへ我にはいでられず
7
どうしてか説明できない苦しみに死していまなお囚われている
7
古生代根源の元アフリカと 僕に紅海ビバ☆地中海
5
切れちゃった蛍光灯を資源ごみに出し 天使は人間になる
9
遠慮の虜囚りょしゅうとなって漂えど背のばし出来る地を信じ
10
しゅたっ!とな ちま猫ちゃんは ちゃくちする どこから?って? しょっきだな食器棚の うえ(笑)
13
裸眼ではどんな月でも満月になる曖昧な世界の優しさ
21
Utakataに日々登場のニャンコたち癒しをくれる小さな大物
27
ひさかたの 光る尾花おばなの 刈りそこあくる夏にも また蔓延はびこらん
23
この手だけ、終ぞ会えない、届かない 藍夜が鎖すその菫だけ
9
今更に夫の好みと吾の好みよくもまあ妥協の日々よ
34