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美しき
短歌
(
うた
)
詠もうと構えたその瞬間 言の葉消えゆき 無味な文字並ぶ
19
「ストップ」は春にきかないブルーベリーわがままに枝緑をのばす
26
正義とか平和を本気で語るのがテレビの中のヒーローだけで
27
「なぜ行かぬ?」青待ちのその理不尽に思うことあり信号待ちで
7
今週の五枚のシャツに火熨斗かけ いろいろなこと平らに均す
22
青い空 桜はピンク 山みどり 胸いっぱいに 春を吸い込む
9
義妹
(
いもうと
)
になるかもしれぬ人に会う桜花の朝の妻の出立
15
たつぷりと付箋のつひた課題図書読むとは向かひ合ふといふ日々
15
夕間暮れ生はひがしに死はにしに生命保険の支払日あす
13
サイダーを 試合の後に 受け取って 悔し涙も ともに飲み干す
17
春乗せてはずむリュックの幼子よどの子もどの子も平和であれと
30
飛行機に乗ってここまでやって来て「臨時休業」なんで今日なの
21
青バナナ吊るし置くうち黄に熟し やがてあばたの天人五衰
21
適温のお湯に緑茶の蒸す待ちの束の間思う君への朝日 「今日は君と」
21
冬を越え朝の陽光暖かく咲き誇るビオラ今日も元気に
16
朝刊を 配達中の バイク音 眠れぬ夜の 明け遠からず
13
我が母校 同じボタンの 子の学ラン 眺め小声で 校歌独唱
23
やっとこさ子らの進学準備終え次は自分の異動の準備
26
雪吹雪 椿枝垂れる 雪間に落ちて くれない滲む 春を待つらむ
6
モクレン 白さ映えるや 空の碧 香りこぼれる 心うららに
7
よたよたと 丸ひ体を 揺さぶりて 犬は
翁
(
おきな
)
と 春のお散歩
39
巡り合う タイミングだけ それだけで ただそれだけで 別々の鍵
17
今月は電話料金高かった。何だか寂しい夜が多くて。
11
園庭に雪柳の弧 風にゆれ輪へと
誘
(
いざな
)
ふ影のやわらか
39
雪解けの 春の鼓動を風に聴く 桜舞い散るせせらぎの路
28
音もなく 月明かりのみ 照らす町 単車の音に 明かり灯る
12
闇深き 二駅先の 最寄り駅 門をくぐれば 息絶えし町
8
加古川の沿ひ行く機械の
音声
(
こゑ
)
の中虚しきを据ゑる青き座席
6
言い訳の 言い訳のまた 言い訳で 何をお前は 守りたいんだ
6
城東に錆びれネオンの灯る頃
圧延
(
プレス
)
の脇で食む握り飯
17
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