二人目の産まれし夜に予見する むくつけき足 六本並ぶを
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土曜日に 女子三人が集まって 駅ビル歩き 八千歩突破!
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明日には明日の向かい風が吹く「ケ・セラ・セラ」って幻想じゃない?
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冬季うつ やたら眠くて無気力で 食欲は増し体重増加
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電車にて麻雀アプリ興じる若者よ ポンポンポンポン叫ぶな、車内だ
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文芸の飽和してゆく世界ならせめてあなたと埋もれ木のこけ
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横顔の窪みを埋める横顔の重なる音だけ聞いていたい
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君の手の短過ぎる生命線繋げるみたいに手を握るよ
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病院へ車で行きたいところだが 君と自転車走らせ行こう
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酒よりも夜半に目覚め飲む水が五臓六腑に染みわたりゆく
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もういいよ曇り雨気満つ宇宙そらもと絶滅蝶に安らぎ降りて
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文字化けに潜んだ真意の鏡文字にわか雨には虹が似合う
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クラシック響き渡ると動く腕しんどいなんて言ってらんない
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永遠を感じた空に同化してあまねく恋の行方を見たい
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ブーケトス この花束は右端の機械仕掛けの神に投げるの
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今でこそ おじいさんまで やってるが ただの与太者 浮浪雲です
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やけっぱち 清水舞台 飛び降りる そんな覚悟で 救われました
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いいことは ありますように 祈るだけ 跡は野となれ 山となるだけ
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未来には 希望もないし また明日 同じが続く そんな気がして
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何もない 一日だって 必要さ 無駄に生きてる そんな気もして
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君からの封筒開けて手紙読むなんで普通の案内送るの
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母さんも 父さんだって 大変さ 書類審査で 子供忘れる
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優しくて なんでも聞いて くれる人 なくてはならぬ 地獄の救い
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厳しくて ルールばかりに 縛られて 喜びもなく 希望も失せて
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余りにも 惨い世界に 耐えきれず 心を閉ざす 仕方もありか
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空想の 世界に一度 飛び出せば 着陸不能 落ちるほかなし
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うち廻るメリイゴウランド馬たちはつと陥落せし国よりか来けむ
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贅沢をするたび心の奥底は 質素な両親おやに味合わせたかったと思う
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入院の静謐の朝おもひだす納品先の白い食堂
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時間ときてば薄れていくと思ってた 日に日に貴方きみの影は濃くなり
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