戯れに埋めたアボカドふと見れば腰の高さ越え肩の高さ越え
14
繁忙期 蝉時雨聴き 考える 蝉ほど必死に 生きているかと
26
一人きりエレベーターで降りる時つかの間孤独何もしゃべらず
10
駆け抜けた文月と二人抱きしめる瑠璃色の湯や側に新月/爾今
19
川に沈む男を「帰りましょうよもう」と放置された自転車は言いたげに立つ
9
横断歩道の白線踏み歩くあの頃より少しくすんだ白
8
我儘を聞いて我こそ白眉の野花 指折り此岸四十八夜
10
少しずつ あなたを知って いくたびに あなたの 好きな人も 知ってく
10
一字でも思い持ち寄り群れなせば短歌となりて明日を呼び込む
9
雷鳴と隣町となりまち雨柱あめばしら 期待させてはしれっと素通り /そろそろひと雨
25
夜八時路上ライブで歌われる「風に吹かれて」byボブ・ディラン
8
艶やかなカラスの羽の一本のそっと置かれた手紙のように
25
天神祭天神さん 花火の音が 直に聞こえ チビ猫ビビって うろうろソワソワ(ちま猫ちゃんは、へいきだよ😸)
19
欠けていく 月が秘めたる 不吉さえ 君が照らせば 幸は満ちゆく
10
石破氏は 予算を散財 対米へ 退陣の声 周りが雲散霧消
3
カレーには 納豆入れて 味噌汁を しょうゆ一滴 奇跡のフュージョン
5
君の親 創価学会 僕の親 統一教会 それでも愛は愛
6
炎天下 サウナの如く 流る汗 宵のビールに ととのふ五感
25
嘘嫌いな男が嘘つきのためについた初めての嘘は綺麗
3
気まぐれな 空の機嫌に 惑わされ それが夏の日 笑うしかない
19
落ちている燕の雛を遠くから見守るような気持ちで見てる
9
いくらでも直視したってかまわない月食とジェイブルーの瞳
7
よかったら一緒に行こうと送るのにためらいはなくもう好きじゃない
7
まだ好きでいてもいいすか できるなら「良き理解者」ポジもらっていいすか
5
種が飛ぶその一瞬の隙間からスイカの汁が喉をすりぬけ
7
むかし見た 窓用エアコン まだ売ってて 室内外機 一体型 六畳用五万円\もってゆきたい
12
結婚してほどほどに子供を愛しなさい ただしあなたは両親に愛されなかったとする
5
ひとしれず わたしゃ存外 にんきもの うちみずおわりゃ 草木 どよめく
22
母親に殴られて消えろと言われた部屋でおっぱいに挟まれる夢をみてる
4
この道も通ったこの道も通ったこの道も通ったこの道
4