通過儀礼 そんなものはなくたって 認めてあげなよ 不肖の友なら
5
土手の橋 対岸から行く君の方 イルミ観ながら飲んだチューハイ
8
日暮れまで 土手でアカペラ君の歌 渇れた涙が溢れてきたよ
11
春風に ほぐれたらいい 何もかも 寒さも空も 蕾も君も
15
コート脱ぎ肩甲骨を一回し気張ったところで お腹ゴロゴロ(腸が弱点)
7
夜9時に息子と共に寝たはずが目覚まし気づかぬこれが春眠
7
たかしくん 貴方の歌は美しく わたしの唄は醜いのだろ
9
命日に 毎月貯めてるこのかねは 俺の命日しぬひの葬式代だ
7
他女たにん抱き 独りよがりのほぼレイプ 気持ちわるいし 満たすもの無し/ごめんなさい
8
「諦め」という名の鎖身をよじりほどいて泳ぐ小魚の群れ/中島みゆき『ファイト!』
8
誰がための日曜昼間のど自慢祖父の知つてる歌は流れず
11
雨の日の 庭の紅梅ハラハラと 花びら散らしその潔し
20
人生の終まい方なぞようわからん乗り合ひバスの翁達笑ひて
40
難儀せしe-Taxのご褒美か。税務署よりの還付のはがき
9
うたかたの紙の体を燃やすのは詩を詠むためか、詩になるためか
7
ツーリングでふと立ち寄りし恋路駅 男同士ではしゃいだ時代
11
中二の姪 自分変えると剣道部 今は優しき救命ナース
12
嗚呼、友よ。苦難の終りを望むなら 呼んでくださいぼくもいくから
9
僕がマ違えた乃はΚの世乖への 生まレ方だっタのだ卜思う
11
春雨は もっと優しい はずなのに…
4
美ら海と 優しい島人しまんちゅ 支えられ ナンクルナイサと 教えらし日
21
絶望と恐怖と不安の実感がひたりと足を濡らす冷たさ
4
モゾモゾと目尻に鼻に忍び寄る 違うのこれは花粉じゃないの
5
春の霞でお山も白い そしてアタシは涙目に(ごめんなさい都々逸)
5
誰の足も止められない街頭演説が雑踏をかき分ける月曜の朝
5
老猫の踏む前足は律儀なる入眠儀式「整いました」
28
声だけを知っていた人その声を化石にするよわたしの脳で
4
東京は空がせまくてうるさくて汚らしくてつまり優しい
5
ふくらんだつぼみが開くそのままにぼくは会社を辞めてきました
5
もしおれが桜だったら花びらをきっと届ける あんたのもとへ
4