君がため 祈りの歌を歌います それは生命いのちで私そのもの
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義理すてて 粋もすりきれ 夕焼けに 抱えたしろは 朝に消えゆく
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入り混じる長袖半袖ノースリーブ 街は一つの大きな花束
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プリクラの落書きブースに置いてきた鏡と櫛と あと青い春
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生き急ぐこともなかろうビル陰でやっと咲き出す五月の桜
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2乗してマイナス1になる記号 愛(i)で私は虚ろになった(虚数)
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だいすきが詰まった部屋に寝転んで 結構あたしは何にもなれなかった
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ユーチューブ 広告動画が 煩わし 考えた末 ブラウザ変えた
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四度目のポケモンブームは過ぎ去つて兄はマイクラ弟恐竜
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中学の同級生と立ち話嗜好がばれるきみは店員
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睡魔来て手刀を首に入れられて 気絶しただけ居眠りじゃない
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影二つ できることなら知らぬまま 自転車押しつつ なぜ凪ぐ気持ち
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エアコンは今日もポタポタ 水垂れる CD💿さがしつつ 洗面器見張る
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手羽元がしれっと値上げしているぞ 見逃さないのだ さりげに値上げ
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おめでとう めでたくないと 言ってたが 今宵、肉じゃが 茶碗蒸し足す
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晴天は動けぬ身まで急かす空、曇天雨天痛み増す空
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信仰は身におりてきた光かな見そなはすらむ雲まに人を
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雨予報外れて今日も夏模様茗荷をさっと水にさらす
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大群の蛇のひかる眼 昨晩のふたりの罪が拡散されてく
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たん たん たんたん たんぽぽの先っぽを 避けて派手にねころんだ
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街路樹の横に 何時いつしか立葵タチアオイ 刻々と迫りくる 梅雨入り
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ちま猫ちゃん そのままならんで おそとみる さがしにきたけど いたから いいの
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姉猫おねーたん りびんぐ いニャい しんしつの まどぎわさんで おそとみていた
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まっしぐら お米の名前にあるけれど ついつい「ねこ、」と頭につけたく>カルカン
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皐月下 三十度なる 昼下がり 軒下借りて 踏切を待つ
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音楽が聞けなくなった。早朝の心すり減り、好きは嫌いに。
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私の知る五月よりも暑い
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昨晩の大風なるか軒下に鳥の巣落ちて雛一羽おり
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洗濯をしたばっかりのシーツにてんてんてんの血の跡が落つ
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葉桜の木漏れ日揺れる公園に子等の声聞く休日の午後
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