栗一個 頂き茹でるの 面倒で プレバトばりに 色鉛筆で描く
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人生初 スカイダイビング 体験が 雨で延期に がっかりしながら ホッとする 
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君と見る今年の花火格別でもう来年を考えている
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病院にかけてあげたい魔法陣みるみる治る命のとりで
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小刻みに 後退りし 戯ける彼女 新人指導は 良好と思ふ
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生きること の意味なんてさ 生きてりゃ だいたいわかって くるさ多分ね
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今まさに地球に着陸せんとする明けの三日月 東の彼方
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四十路前 独身男の アイコンが 二次元女子で 少しおのの
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愛してる 挨拶程度に 言っていた その過ちを 重く感じる
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なにひとつ 並んでいない 食卓で いただきますして ごちそうさまする
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大丈夫、辛くないよ 本当に。泣きながら言うことじゃないけど
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集合の 重なる部分 小さくて そこを大事に していたふたり
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呟いた じゃあもう行くね の質感も この街だけが知っていて
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いい歌ね いい歌なんて 言ったら 否定するよね でもいい歌よ
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なんでもいい なんでもいいが いちばん困る キミが作るなら なんでもいい
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久方の 煌らかならねど 朧に 空いたく澄み ふる星月夜
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野良猫は僕に寄り添い慰めて子猫の声で帰っていったね
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たまほこの みちに入りたる 暗闇に 君が与えし 月影ともす
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木犀花冷えた月光乗せて我が鼻腔を満たす最後の夜に
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夜中2時 無心に 折り紙で箱を組む そんなワタシも キライじゃないよ
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乗ってゆけ 向かふ先には 平安が 今かいまかと 春を待ちける
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飛ぶ鳥の 憂うは明日か 風に乗り いずこ行くかは 誰ぞ知りなむ
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旅先の山小屋で見たエプロンの柄は実家の母と同じだ
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初めてのテーマ詠苦心惨憺詠んだものはどれも不作で
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雨上がり 光をまとふ ならのみち 落つるしずくに いにしえぞ
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あをによし ならの木陰に 雨宿り しばしとどまり 一息つかん
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子どもたち 泣いて光って遠くまで行け 誰の手も届かないほど
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足繁く通った店も今はなく会社帰りの独りコンビニ
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石橋ハヤネブに輝く御身の麗しき そこに嘗ての夏の日を見る
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何気なく腹肉掴みその厚さにたまげるやら憎らしいやら
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