憎しみも 恨みも捨てて 肩を組み 我ら友達 それは無理だわ
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落ち込むぜ 批判されたら こんな時 いやあな気持ち どうすりゃいいの
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今日はもう 仕事手付かず闇堕ちで 破裂する前 土手に還ろう
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おまえがな しあわせおれにみせるから おさえたもんが おれを蝕む
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消えかけた 腹の黒渦ぐるぐると 吐き気伴い 暴れはじめた
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さわやかな君の香りが好きだった たばこの気配におい 吐き気しかない
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やさぐれて 自業自得の業のみち 君を愛して 失ったこと
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はなれても 貴方あなたとも 此処ここ 泡沫思うたかたおも 哀歌乗かなしうたの
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君の音が 僕の言葉で変調し 別れたくない グッと飲み込む
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おはようと 言って起きたい おやすみと 言って眠りたい もうすぐ四十路
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偶然にあなたと街で会うなんて 夜桜を観るドラマの中におり
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桜咲く前に散ったよ私の想ひ散って良かったと言い聞かせるせめてもの意地よ
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花粉症 くしゃみひとつで アレクサの ポールモーリア 止まる誤作動
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起きてからアクシデントが続くけど偉いぞ自分怒ってはない
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ビデオには 幼きわれと 亡き祖父と 粗い映像の古き思ひ出
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食って寝て出してまた食う同等に「詠む」はすっかり生理現象
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伝えたいことはなんにもなくなってそれでも短歌詠み続けてる
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陽射しよし今日は亡きの墓参り甥の車でおうなおきな
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罪もない あいつをさしてころしたら 君も地獄に きてくれるかな
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生き地獄 顔も見れるし声聞けど 笑顔はなくて 触れられなくて
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大腸の自律神経腹立たし TPO知れ今は電車ぞ
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風雪に耐えて美し桜花 気高くあるもかくも優しい
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大好きな母に抱かれて死んだ父「しあわせだつた」と友は言い切る
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土曜から ずっと引きずる走馬灯 笑わぬ君と 笑うあいつを
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『プカプカ』と昭和の空をただよつてあんたとあたい連れ添つてゆく
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おなじ賞応募したらばおなじ時巳年八度みどしやたびの祖父と刻めむ
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ネーミングライツで変わる公園の変わらぬ遊具歓声と風
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いつかこの喧騒こそが幸せと気づく日がくる酔つて遊べば
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仁徳の現れである過ちを見過ごさずして君子の心
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幼子の白き手あわせ祈るごと蕾ふくらむ木蓮の花 \ 彼岸にて
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