副市長逮捕されたり入札の改修先は妻の母校で
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五月はまだ取り戻せる感ともうここまできてしまった感のせめぎ合いなり
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ジュッピュイと鳴いたそなたは何者か目覚めて仰ぐ黎明の空
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進路、受験、定期テスト、模試、課題 きみと色んな国へいきたい
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匂い満つ友とそぞろのバラ回廊手入れを思ふ二万の株の
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傘つぼめ あわてて車に 逃げ込めば いいお湿りですと 君は言い
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ひっそりと 可憐に咲いたスミレ花 下向く姿なほ愛おしや 
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吾の癌のリンパ転移の告知時に涙 隠して妻凛と立つ \ 六年前
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飽く迄も 衛 星 的 な 環 境 綺麗な場所が好きなだけ 好んで汚れている訳でなし
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楽しいと思ったことはありません。 掃除洗濯家事のあれこれ
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頭からこぼれそうになる「助けて」をまとものフリして笑顔に変える
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潮干狩り一度経験したかった今の私は乾燥わかめ
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一箱を弟妹かぞく仲良く分け合いて三つになりぬキャラメル恋し
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強き雨に旋回待機のJAL142は複雑な模様を描く
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ミイラ取りをミイラにしたミイラをミイラ取りにするミイラ取り
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物欲の無い君が席 立つ後に 温もり共に消す存在感
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草藪に見つけた蝉の脱け殻はまだ合唱が聞こえる前に
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紫陽花の花がもうすぐ咲く季節長靴無くて靴にスプレー
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缶蹴りの空き缶取っておく係あの頃クラスの誰だったかな
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何でなの人間味など無いじゃないもっと貴方の表情カオが見たくて
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猫ちゃんと 今日は病院 頑張った おたがい夜は しっかり寝よう
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このやろうずっと引っ張って歩くからでろでろ揺れる右の袖だけ
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さらし巻きフンドシ締めた男衆火祭り花火の筒が踊りて
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びっくりポンあさが来た観て気に入って独り呟く聴こえぬように
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そろそろか揺れる青田の水の上滑るあめんぼ風吹く季節
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ちゃん付けで私以外を呼ぶ君を 想像してはちょっとジェラシー
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興福寺阿修羅の顔のそれぞれが毎朝ながめる鏡の吾の顔
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河沿いの立入禁止の立て札に可愛いアヒルの親子描かれ
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シャリの酢の色が赤くて味が濃くどこの産地か大将に聞く
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茶室での掛け軸眺め禅語読む濃茶の味が舌に残りて
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