時間薬抜けたら探してガラス玉カメラロールの愛愛愛/猫より
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大輪の芙蓉ふようが開花 真っ青な空にあいさつ ああ夏本番
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夏草に負けじと庭の草引かば間近に迫る蜂の羽音の
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暮れなずむ コンビニの前 入口を眺めつ お座りをし待つ犬
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潮風に高く舞い行く白カモメ 空と海の狭間に見えて
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年表の どこかに線を 引くならば コロナの前か コロナの後か
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道端を岩蟹の這ふ赤を見て 海の近さを今さら思ふ
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この頃の 思い出話 の起点は コロナの前か コロナの後か
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しょんぼりと 階段のぼる 踊り場の ぼやけた空に 輝く金星venus
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くすのきの二本を額の縁にして丹沢の峰あざやかに夏
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新しい 朝来て起きる夏休み 子らとラジ体 希望の朝だ
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きのうより五センチ高い朝顔の伸びゆく夏へ水をやりけり
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コンビニで ひとつ残った メロンパン こいつが俺の 最後の晩餐
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半数は 地球を捨てて 行っちゃった 騒いでたのは そいつらだけか
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そういえば 今日だったっけ 最後の日 どこへ行っても 半額セール
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身近あるどうしようもなきジレンマに抗ひつつも人前を向く
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受け取りの サインの横に 描き添えた 右手を上げた 笑顔のカエル
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知っている ひとが前から やってくる めんどくさいから 横道にそれる
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家花火 狭庭に集う孫二人 線香花火に及び腰可笑し 
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瘡蓋の剥がれたあとのツルツルなあなたの皮膚にわたし成りたい
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この服であなたに会いに行った日ともう会わないと知ってた今日
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明日(今日?)までは 歓喜バクハツさせるのは つつしみますよ なんせ真夜中(しー)
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ねこ母は 手足だけでなく 頭もちーさい 洗い髪に 猫耳ターバン(ジャストサイズ・たぶんキッズ用w)
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イチバンと 叫ぶ闘士ホーガン 天に往き ドナルドくか 盛夏の悲報
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蝉しぐれ 長袖スーツのキャスターが「熱中症にご注意ください」
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清流の 岩場に潜む 沢蟹が こちらを見つめ せわしく隠れ
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ひょうたんに 覆われ日陰 ひと休み 風も吹き抜け 朝の安らぎ
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人の世は儘ならないと知る風呂の蛇腹の蓋はばらりと落ちて
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朝電車 汗の匂いで 思い出す 去年の夏を 毎年更新
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自分だけ逃げて楽して生きてきて同じ話がしたいは重罪
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