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みずおもて シュガァ・レヱスの沈む紅 胸の澱までどうか溶かして
5
別れ際 握る手離さず涙して ベッドにひとりちいさな身体 /老人ホーム入所の叔母を見舞う
19
カラオケを出て横歩く君の手は私の右手をマイクの代わりに
9
真っ白なシーツに包まれきみは日々この世でひとりの花嫁になる
5
僕だけの独りよがりな恋だから「る」を噛み締めて君に「愛して」
5
昏き海 溺るる我の耳鳴りは 割れた硝子の音色の
洋琴
(
ピアノ
)
5
志望校 受かったら髪刈り上げる とかいうあの
女子
(
こ
)
羨ましくて
4
あふれてく涙を拭うための指 ぼくらが他人で生まれた理由
5
雨上がり 足もとにだけ 空があり 今日の曇りを 返して跳ねる
10
しわ消えぬズボンと知りつ けふもまた履き出でにけり 晩夏のにほい
12
ショートステイ 受けし介護を話す姉 初の体験テンション高く
23
一輪の花より愛し君くれる瞬時交わる気弱な視線
8
えーあいが 言ってるからと エンジニア 君のキャリアは ほんとなのかな
5
ほんとうにパンどろぼうのかたちのね雲を見たんだ嘘じゃないんだ(新幹線通過時)
10
あの雲はパンどろぼうよああしてね餃子の街を守っているの
8
空泳ぐ龍のごとき彩雲はあの世に無事着いたメッセージ (八月十七日の空をみて)
6
大金をサプリメントにつぎ込んで効果のほうはあると信じて/若気の至り
23
秋ともし大和坐りの観世音 注ぐ光の淡き優しさ
8
幼き日火の扱いを覚えたる蚊取り線香煙と消えて
8
朝日さす東の空を遠くして西の
空辺
(
そらべ
)
に暮るる我が身ぞ
6
後輩になるかもしれぬ
男子
(
こ
)
の分を纏めて払う女子の颯爽
10
かげの濃さ緑の深さ花々の色鮮やかさ目を刺すきせつ
10
効能が報告されているサプリ 第三機関が確かめたのか
15
ふたつみつうたよめばひのかたぶきて やわきひかりはねぐらにかへり
12
苦しさも悩みも持たず生きるフリ そんな大人のつま先を見た
14
下車駅に着いてしまうわもう二度と逢えないだろうあなたが横に
13
一年に二度訪れるその奥の峠越えれば蝉が迎える
13
気負っても仕方がないよ 緑陰に野良猫たちのゆるい円陣
24
千葉豪雨半分で良いこちらにも 萎れし木々に水遣りをする
9
歌謡曲と言われた頃のJ-POP流れる遅いランチを喰む時
4
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