この家の一番目立たぬ場所で温かな愛燃やしてたとは/給湯器
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会ふたびにズンと伸びたる孫背丈 爺と背比べ年の瀬待ちて
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冬至来て 熱き柚子湯に身を委ね 肩まで浸かりて一年ひととせ思ふ 
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親戚のおじさん達に 金もらう金があっても何も買えない
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夏休み親父の実家 バカデカい周りに何も何もないけど
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捨てられた残飯(つまるところの夕焼けではないか) 小さき文字夕焼け。になる テスト~テスト~test
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物価高もう何年も見ていないワンパック卵百円の札
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『だし昆布多いと美味しい』こんぶ茶は予防食だと知ってて褒める
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擦り下ろす腕力までも衰えてなお母のため生姜汁絞る
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一日にほんの小さな一錠で脳梗塞を逃れてる母
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苛立ちを三日こらえて立ち止まれ先人の言う知恵に鎮める
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この世には善人なんて居ないのかそう思わせる人的受難
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坂の途中 遅れて歩く 母親に 背中が親父に 似てると言われ
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泣かせよう 泣かせようとする ドラマ観て 泣いてる母の 横顔に泣く
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地上から 地獄へ通う 毎日が キミと出会って 楽しくなった
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かいまきを 引きずりながら 布団敷く 子どもらを見て あたたかくなる
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さよならと さようならとの 違い聞く キミは笑って それは秘密よ
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コンコココン のコンコンコン ノってるなぁ 日曜の昼 置き配のひと
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仕事中 居眠りしてたと キミが言う 昨日の夜は 頑張ったもんね
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沈黙に溢れるばかりの愛ありて 口の端ついた 言の葉の罪
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人間は元来、孤独。なんたってお腹は空くし喉も乾くし
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指切りを解いたあともぬくもりをクリスマスまでお忘れなきよう
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誰一人 仮面無しでは いられない それが役者人らの 箱庭芝居
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今年最後に逢う人はキミがいい 毎年想いいつも叶わず/夢
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つじつまを合わせる様に誘われるそんな私はキミに逢いたい/キミ以外からの誘い
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逃げ場なし? 行ってみなけりゃ 分からない 言ったもん勝ち 極悪表裏
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湯の中で 柚子をクルクル 転がして 楽しみながら 厄除けする夜
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あたたかな掌に触れられて柚子湯より身体の芯が熱くなる夜/冬至
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うまいでも不味いでもなく母さんは顔顰め食む冬至の南瓜/認知症
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言葉など 塵と同義の 世の中に 語るも無駄な 自分のことば
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