地上より 奈落の底へ 向かうかに 大阪メトロ 地下へ下りぬ /堺筋線柴島駅→天神橋筋六丁目駅
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雨風と散る花びらの悪戯か車のボディが花柄の様
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旅立ちに君とおんなじ靴を履く こんな惨めで会えない為に
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まっすぐな学ぶ姿勢の眩しかり小さき歌会の仲間のことば
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そこにある メトロノームは 嘘つきだ Take Fiveを 奏でたいんだ
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セピア草 匂ひ惑ゑば玄関へ 訪ふ先生ボクと通園
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ため息を隠すみたいなキャスターが溶ける弥生の空のあざとさ
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数十年 悲喜交々も 共にして 引き続き 今後も よろしくね
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トマトやら バナナを入れて ぐつぐつと 闇鍋つつく 今日は何の日
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好きなだけホームランを打ってください 私も好きなだけ鮭を食う
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混乱と 焦燥の日々 いい方に 行っているとは 信じられずに
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夜道にて 作歌に腐心し ぶつぶつと 呟き歩く 不審人物
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闇鍋の 食材買いに 訪れた ついで教えて 生物の本
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強風で ゴーゴーいう日 年取った 女性が二人 5階に来る
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世の中の 不条理を前に 筆を取り 腕まくり挑む ルネマグリット
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春になり 枯葉の下の 球根が 目覚めて伸ばす 水仙の葉っぱ
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親四人看取りしあとの暮らし向きいずれは終わる穏やかな日々
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涙する 悲しみさえも 食いしばり 負けるものかと 静かに立てり
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彼岸花まだ青し葉に春の雨ホトケノザ咲き庭に色添え
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まだ寒い 風の吹く日に エンドウの 白い花咲き 実が膨らんで
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炊きたての熱いごはんに塩たらこ 海苔で包んで頬張りたしや
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ひとりでも 生きていけると 用意した 鍋をつつく 傷口はひらく
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春陽さす温室のやうな書斎にてパソコンにむかひ短歌うたうつ幸せ
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本物は 阻まれようと 生き残る そしてそのまた 逆も真なり
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余りにも 些細なことを 褒められて 喜ぶ自分 哀れに思え
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青年に ハゲと言われて 子供らに あっちへ行ってと 言われて生きる
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少しずつ 見えなくなりて 少しずつ 聞こえなくなり それでも生きる
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歩く距離 行動範囲 狭まりて 痩せ衰えた 肢体の極み
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確実に 視力落ち 運転も ままならぬよう 老いたる極み
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湾岸に 何も云わない 日本の 明日は我が身か 暗い淵みる
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