課長補佐 課長不在にて お局化 周りイライラ自分ケラケラ
5
マンデリンブレンドなるは四百円! 200gで「ちゃんと美味しい」
11
麓から登って登って六合目 目指す頂 雲に覆われ
15
『北風と太陽』如く 時雨しぐれには重ね着 秋晴れには半袖
24
新鮮な知恵を絞って作りたい飲むまでわからぬ未知の味わい
12
母が死ぬ時を思って涙ぐむ平日、十時、会社の席で
9
雲ひとつなき あをぞらよ 「全て良し」 そのに 我に告げるかの如く
25
坂道にどんぐりの実がおちこちに 深まる秋を感じて歩く
30
自分には見せてくれない表情を 他人の前でしないでなんて
9
惜別せきべつ月食つきはには とどかぬが せめて一つと けむたくせし
8
庭先を 去りし蝶すら 風すらも 「往く」とあなたの 言葉に映り
8
「好きだよ」と 妻恋草のような色めいた耳元 隠しきれずに
5
猿上司 部下を蹴落とす愚行かな 事実歪曲 臼の下敷き
9
ゆえなくも心の急く日 テレビより 初冠雪の富士の佇む
24
西瓜泥棒は死刑にしてしまえ シャインマスカットは甘いよね / 酷暑は誰のせい?もう忘れたのかな。
9
鎌を研ぎ恐れを知らぬカマキリは舳倉島へぐらじまなら小鳥を狩って
10
歪んでる思考は消えない自我同一 生命せいめいはらの無駄遣いらしい
6
同じよに初シチューなうち多かろと十二月並みと冷え込んだ日に
24
米は米 されど新米 その旨味 頭を垂れる 王者の貫禄
13
形容詞名詞助詞名詞助詞動詞 中身が無くても私になった
5
目の前の斑紅葉へ触れもみず姉の顔など思い浮かべる
25
秋の陽に背を押されおりはた立てば晴耕雨読の亡父ちち訪れ
28
幼日をさなびはたにあと追い赤とんぼ抱きとめし亡父ちち遠きにありて
22
雨模様重い空気に沈みゆく金木犀の香は濃くありて
12
やわらかに乾いた頬に沁みとおる秋の日差しの心地よさかな
13
われわれを構成している素粒子が揺らぎわれわれが揺らぐ わぉーーーん
8
車窓には短歌うたの題材散らばりて少し残さる稲穂の意味など
34
友の庭訪えばとりどり菊の花 八重の芙蓉に秋の陽注ぐ
42
あの橋を渡ると貴女に会えるはず画面の景は新釧路川
25
丘のうへ墓場や寒し北風に 供への花は疾ふに枯れたり
24