十五時になりて覚醒 蝉の衆 尊き夏の尊きいのち
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白飯にイカの塩辛ちょっとのせ煎茶を注ぐお茶漬けが好き
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綺麗だと 言わなくていいから君の 運命の人は僕だと言って
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君がいた 十九の夏は楽しかった 明日二十歳はたちだよなんでいないの
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いつだって通知も瞳も見続ける ずっとずっと待っているから
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会いに行く 横須賀線一時間半 大事なものを幾つなくした
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「もう一度やり直そう」と打ちかけて スワイプして飲むあの日のスミノフ
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贈り物 みかんジュース残り一口 飲み切らないまま君とはお別れ
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見返ればる愛を知るベランダの夕には眠る金魚の浴衣
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もう君とこれで終わりと気づいても またねと微笑む夜の駐車場
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多分もうあの熱量では愛せないよ、「それでもいいから」って縋ってよ
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つかめそな綿雲つふくふくと朝の青田を覗き込むごと
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田舎だからって牧歌的であるわけない 煮詰まったなら人は狂うわ
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ヒグラシの月に向かいて歌ううた 黄昏時に切なくひびく
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一階と五階で だいぶ気温ちがう 夕焼けの名残 あわきパープル
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たそがれに 街影遠く 君は来ず 待つほど遠く の恋の夢
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あぜ道のエノコロ草はみのりゆれ かの日のココを手招きをする
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コンクリに打ち水散れば甘露なり 蝶集いてはいのち吸う午後
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『申し訳ございません』を登録し連連連打 口から射出
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週末に一口分の無軌道をシートベルトで捉える檸檬
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在りし日の片恋は春 彼に似たちょいワルキャラに 想ひ出重ね
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恋しくて気持ちあふれて柵越えてノウゼンカヅラ届くといいね
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君がすぐ なんでもないよと つく嘘は それって愛じゃ なければなんなの
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エアコンの中じゃ西瓜も味気なしパック入りならそれもなおさら
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腰痛にも ピンクのイブは効きました 一時間ほどで軽くなりました(ねこ母、不正出血?今月2回目?の、3日目)
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カタカナで書かれた自分のフルネーム他人の名のような違和感がある
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大地主の田んぼをも覆う夏空をちっぽけな私は待っていた!
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炎天下 ひっくり返る カナブンと 何度も起こす 汗だくの私
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桃の香が ページをめくる 7月の 僕の歳時記 夏が来たなと
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すね毛にもひとつひとつのドラマありちぢれていたりへたりこんだり
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