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キャンバスに赤が弾んで
迸
(
ほとばし
)
る 心室みたいなきみのアトリエ
26
死を知らぬ子は震えながらドクターヘリに「かっこいい」と呟きたり
7
風を避け若葉マークに尾を振る小江戸の鯉のぼり
6
捩花
(
ねじばな
)
を じっと見つめる その不思議
螺旋階段
(
らせんかいだん
)
登る虫いて
21
逆流が口に残ったシャボン液君に合わせて笑うと苦い
6
揺られて1時間 あなたは頬を濡らすけれど 大丈夫、私はここにいるよ
5
昼餉あと机に沈むひと時は生きる為なりなんちゃって歌
13
目の奥におおきな海がすんでいてたまには会いに来ることもある
10
窓外
(
そうがい
)
は春晴 傘持参迷ふ 抜き打ち雨予報に戸惑ひ
27
拝島のフジを見にゆくバス旅の二十二分のゆらりにふたり
20
血 うすくて 献血できずに 帰されて 早めのお昼はレバニラ炒め
48
締切が 明けましておめでとう今日 風と緑とご近所 詣で
28
夢の夢
果
(
は
)
てての舞いを 見納めて 人生重ね 桜人たち
17
「過剰なる買い占めやめて」と繰り返す胚芽押し麦明日無いかも/ラジオ後発地震情報発令に
21
悪びれる嫌なオヤジは成増へ荷送りをしてオカン屠蘇呑む(百人一首・二十)
6
ナビがバカ身近き道も節穴でかねてスマホでググってよとや(百人一首・十九)
6
髪の毛と皮脂に寄るダニ嫁さへや見目にも痒く日頃避くらむ(百人一首・十八)
5
舌はぜるガムとも聞かず買ったカバ
辛
(
(から)
)
くないのに水すするとは(百人一首・十七)
5
鉢合わせ修羅場のヤマの店に老ゆる松戸の歯科はキバ替えに来い(百人一首・十六)
5
票固め活路も見えで若芽摘む我が衣手にカネ隠しつつ(百人一首・十五)
6
未知の苦の地獄に落ちずかりゆしにめんそーれとはわりなく楽に(百人一首・十四)
4
特売の
甕
(
(かめ)
)
より劣るオラの
窯
(
(かま)
)
濃いつもりでもブチとなり塗る(百人一首・十三)
5
暴れたるクマの通ひし辻閉ぢよ泥の素焼きでシバき
止
(
(とど)
)
めに(百人一首・十二)
5
タマの歯が
八十路
(
(やそじ)
)
で欠けて噛み切れぬもひもじく爪で
漁
(
(あさ)
)
る釣り堀(百人一首・十一)
5
段ボール すっかりハマって でてこない チビ猫のばしょ おきにいりのばしょ
23
置き忘れ 菓子折り拾い 自転車でバス会社までゆっくり走る
22
花咲けば手折るひとあり枯るるとも水やるひとの傍らにいて
17
春匂う 雨粒
温
(
ぬく
)
し 小糠雨 濡れれば濡れよ 夜の雨町
8
芝生から毎年顔出す ネジバナの タフで可憐な ピンクの
螺旋
(
らせん
)
25
耳立てて雨音に目を凝らしなば曇り硝子の灰のいや増す
14
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