指先に恋の予感の兆しつつ零さぬようにカップを置きぬ
6
思い出は善いことばかりじゃなかったけれど明滅してる胸ん中
3
孤独死をポジティブ思考してみたら片付けをするモチベーションに
20
:春色にねじり滴る明けの空孕んだヒミツを彼は知らない
5
夢はなに?問えば戸惑う生徒らに実は私も同じと思う
10
哀しいかそんなにお前が哀しいか 動いてて居よ じっとして居よ
4
死んだんだ おまえも俺もこのなかで ごめんな、オジよ 親父はみれない
6
わらうなよ 夢にも出ては見下して ころしたいのに、すべて飲み込む
7
泣くそらが 淋しきかなで 耳残る 満月隠す 寂寞せきばくの夜
23
酒に酔い おまえの代わりに他女ひとを抱く 愛などなくて 虚しい男
7
塵に棄て 暗闇もどる 孤独路は 光見たから 何もみえない。
11
「愛」などと 綺麗事では割り切れぬ 毒か呪いの 人生模様
11
更新を忘れた免許 父親の顔はそのまま失効された
7
徒花の 残り僅かな人生に 乱れ咲くぜよ 桜花爛漫
11
大判焼きおやき食い 空の満月夜桜と 柿川流す 淡い思い出
13
幅跳びというより飛躍飛び越える歌が詠みたい見えないバーを
6
晩酌の三百九十八円さんきゅっぱのあん肝をつまみ餃子を片手間に焼く
9
家着けば追いかけっこがはじまってトムとジェリーはどっちが猫だ?
9
窓越しに 空見上げれば 満月の見えぬ卯月の 今宵の雨天
25
ゆくりかに果たされました逢瀬にはあらはれてゆく足が冷たい
5
我が国の戦果を伝えたラジオ塔 戦後静かに公園に立つ
14
明日から田植えはじまる水田に白く揺れるは春の夜の月
18
春の風 ビニール袋に詰め込んで かなしいときに すぅっと吸いたい
12
手に握る緑の光がいつの日かドームの森の一部となれば
6
色のない景色の向こうに繰り出せば花々の色やたら眩しく
23
ガチギレの上司が紡ぐリリックをつたない謝罪のライムが煽る
5
混みすぎで ママもう無理と泣く子供 気の毒なりや 万博パニック
17
グレイヘア似合うはブルベ冬らしいイエベ春にはグレイくすみ似合わず
11
ちま猫ちゃん ねおき寝起きで 「ぽやん」としたままに ゴハンはたべる もぐもぐたべる
18
ボツにした歌詞が好きだと口ずさむ君がいまだに完成しない
5