優しくはなかったのかもしれないねどれだけ花を掻き集めても
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伸びる影の端の方にきらきらが少しあっても咎めないから
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みちのくの遅い春には湯の里をかすみと花が覆い隠して
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春雨の濡れそぼつ袖を絞りつつ傘に隠れて まつ毛に触れて
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氷塊を溶かすのは別に得意でもなんでもないが生きるためにね
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雨の中緑のきき湯買ってきた本当に効くかマグネシウムよ
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すぐ決まる熟女四人のランチ会花見御膳を揃って平らげ
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僕たちの青春煮詰めたいちご飴 咀嚼するたび砕けてく音
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昨夜きぞ会いし人の名前の浮かび来ずアミロイドβ脳に棲むらし
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目の奥に息を潜めて蹲る獣の名前を君は知らない
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もし仮にお金持ちになれたなら、君を囲って幸せにしたい
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雨上がり ネモフィラの丘 空と海 視界を満たす青の至福
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潮の香を恋ふる気持ちは夫も吾も 淡路の海で息深くする
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故郷へレールの軋む音につれ湘南新宿ラインの窓辺
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ひさかたのとん汁つきの牛丼はサヨナラ満塁ホームラン級
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春嵐に吹かれ散りゆくつつじ花五月の雨は生命いのちの香り
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アルバムはあなたの写真ばっかりで そういうところが好きなんだよなぁ
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この傘が赤くてよかった覗き込むきみへの気持ちを隠し通せる
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投稿をしようと思って開いたが忘れた これって「あるある」だよね
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手をつなぎ 祖母と渡った青信号 追憶の『通りゃんせ』のメロディ
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出立の早朝 私を惜しむかのようにいつまでも明けない空
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帰省する新幹線の車窓には加速度的な夜の訪れ
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雨音をじつと聴き入る仕事場で連休中日の天気しらべる
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きみの長い話を聞くうち花が咲き林檎がなって かじった 酸っぱい
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童心にかえったときもかえってない部分があってかえったと分かった
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思うにレンタル恋人は絵が下手な人が代わりに塗り絵する感じ
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確かめて確かめたくてうつむいて半分だけホントのことを言う
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またあいが 憎悪を煽って首絞める 骨になっても隣で愛でる
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何々を減らしました自分らしくなりましたってさーそんな簡単?
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こう見えて親になったら吾子って言葉短歌で使ってみたかった(照)
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