闇よりも深い思慕あの始祖鳥の卵を割れずに首が絞まる音デミアンにシンクレールは届かない死後硬直のような口づけ
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日傘して影に頭を隠せども 熱風吹けば傘はお猪口に
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君は水平に逃げ我は垂直に堕つ交わることなく恋は三次元を展開する
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口惜しや早くも夏バテこの頭 入力ミスを直してまたミス
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和歌集に蝶の標本のごと並べらる恋の歌読み我が羽揺らす
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安き避暑 市民プールの騒がしさ プールというよりお風呂だけれど(ぬるい)
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引越ししカレー二箱つくりおき一人暮らしで食べる忍耐
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この暑さゴールポストが見えないね 週間予報を聞くも虚しく
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ほんとうになにさまだかになったからたらす糸どうですつれますか
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あんなにも待ち焦がれてたはずなのに 貴方を探して夏が終わる
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目を開けるたびに 窓の画は描きかえられる まだ夢の中か
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虫籠カゴ下げて網振るわらべ駆け回る夏の景色は遠くなりけり
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キラキラと 川面が光る 夕暮れは 鳥は水浴び 亀は泳ぎぬ
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だれそれがうんぬんかんぬん言ってたよなんちゃらかんちゃらもう聞き飽きた
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植木屋が剪定するのを眺めやり楽な仕事は無いと嘆ずる
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皮も身もこそぎ落として骨だけで涼みたくなるこの暑さだな
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写真立て 夏の記憶は 綴じられて 上書きの無い 褪せてゆく空
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何度でもエラーエラーと立ち上がる赤いバツからパンチをくらう
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ぼくらまだ裸足でウサギを追っている目に見えるものがすべての星で
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翳りゆく 灯りは部屋に 霧散して 泡沫なるは 想い綻び 
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濡れた葉とつやめく粒がきらめいて私を誘うブドウの房よ
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帰路のバス待つ 夕涼み 飛んでゆく蝉を 空から捕らへるカラス
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店出る時大将と目が合った笑顔だったそんな日だった
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ときどきは 幼い女児を見るやうな それも愛なの きっと愛なの
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よろこびに 舞ひ踊らむと 思ひても 思うに任せぬ 主婦の哀しさ
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お盆だし市の夜だし帰っておいで白玉手足が消えるは惜しいが
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「晴れちゃった」 離した肩を 寄せにきて 「日傘がいる」と 言う君が好き
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永年に安全靴で変えられた足の形は戻らないのか/四年経っても
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吹き上がる地よりの熱気夏盛り記録更新続ける気温
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再エネか原子力エネか悩める日激しく進む気候温暖
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