連帯もなくてひとりの膚を抱く わが同一性を照らす雲雲
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バウムクーヘンはじっこ噛みぬ 夏暦忘れんときに驟雨来たりて 
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オモチャ売るためのアニメと蔑むな止むに止まれぬ大人の事情
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「ほんとうに会いたい人には簡単に会えないものよ」また年をとる
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なんでなん? なんで無茶振りやらかした? やしきたかじん 『砂の十字架』/たかじんさんは何も悪くない!
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悩みごと悲しいこともないはずが秋めく景色胸が切なく
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いごこちの よさにこだわるの ねこだから ほんとにすきな ものがいちばん
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去年きょねんから 一日一首いちにちいっしゅ 一年後いちねんご つづけた今日きょうは 短歌記念日たんかきねんび
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抱き枕欲しがる伯母のわがままは 誰をも知らぬ孤独の化身  
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百七の歳を重ねし伯母の眼に 時々映る遠くの景色
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子供って親を選んで生まれると 読んだ瞬間涙が溢れた
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長男きみからの「泊まりに来ない?」LINE来る 鼻歌まじりで準備進める
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台風の胸痛ませる天気図の 赤色の下いる人思ふ
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通せんぼした秋茜追い越して まだ夏の中生きてる私
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雨や風打ちつけられし木の間からひそかに実る青胡桃かな
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光さし天使のはしご降りてきて濁流の川清き流れに
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主治医なる 我より数齢若き人 体調戻らず退職と聞く
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いつまでもいついつまでも眠りたい起きたところであなたに会えない
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米騒動暴れん坊の将軍が現世にいたなら成敗するのか/米将軍
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併泳魚へいえいぎょみたいな湿度を連れくぐる マルイのウィンドウ マネキンは夏
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今閉じたばかりのスマホすぐ開き短歌下書き見てまた閉じる
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午後からは小降りになってくれないか歩いて医者に行く予定がある
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雨の中アーモンドミルク買いに行けば三百円のいつもの無かった
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野菜の日 葉月おわりの 大雨は (実家)帰れたかも?の思い 打ち砕く
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ちま猫ちゃん おみみもおてても オッケーよ いちじき一時期わだい話題の おさわりマップ
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店に無い米は減っていく不安さを新米の値を知ってか知らずか/2倍ですよ御役人様
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波のよう 寄せては返す この想い 雨音はいや 淋しくなるから
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医者は言う ハウスダストと 花粉症 両方あるな どこいりゃいいの
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アレルギー これは空気が アレルゲン 息をするなと 言っていますか
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風通し よくしていても 埃あり? ほんまかいなと 機械疑う
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