真っ白い流れる雲を見ていたら泣きたくなったまだ生きたいの
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外からの刺激に弱い左目と新しい「道」模索してゆく
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フワフワした理想論など糞くらえやることないなら早くかえれよ
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メモスタンド いそいそメモ用紙立てたらば 高さちょうどよく ちま猫かじる(苦笑)
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区役所の用事済ませてサンドイッチ 300円のご褒美ランチ
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ゴミ捨て場金網かごが設置され火曜金曜さらばカラスよ
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手はなさば 堕つる息子にそれもよし  こんな夜もある 満月のせい
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電車が静かになる瞬間 鼻が折れる瞬間 キシキシ
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ささくれなぞって広がる嘘も 夜に傾く青い嘘も さくり
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カエル鳴く夜 目を擦るのはやめなさい まつ毛が取れてしまうから
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脳内辞書頼りではいつか言葉も枯渇してしまうのだろう
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ただの胃腸炎でクビになりかける秋の昼間 早く治れよ
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全てを愛せなくてもいいの 愛と信仰は別物なのだから
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空腹で買い物に行く愚か者チョコとか甘いのたくさん買ってる/自己嫌悪
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堕天とはまた違い 天使からこぽるる元天使 こぽるるぽるる
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誰にも裏はあるものよ おかしいのは貴方 なんて言われていない
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見たくないものたちさえ見ているのだろうか 今この瞬間にも 
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何かしらのヒーローかもしれないと信じたい夜 近づく怪異
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うたかたに うきつ沈みつ秋の夜々 今なにもかもリセットせましか
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くちびるが ドライフラワー となるまで 恋していたい 私は少女
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経験のけがれが吾子あこを回避する分娩室の永遠とわの誓約
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カーテンの隙間から差す月光が吾子の寝顔を優しく照らす
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洟垂れた弟のためティッシュ持ちチーンの真似事している三歳
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靴下が 靴に置き去り抜け殻は空気を含み歩いて行かぬ
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ドジャースとベイの勝利で保たれる我が幸福度簡単な平和
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紋白蝶とび交ふ野にし出でにくれば 草流れしてわれもうち解く
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ひもすがら芍薬花を据ゑ置きし少将のこころ小町知らずも
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銀色のケトルに挿した温度計 針はアンダンテで秋を告げ
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うらおもての無い人とは多面的な人もそこに含まれますよ
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蟹さんよ。あなたは何を隠してる 磯の香のする堅き甲羅に/物名歌
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