ああどうか伯母の報せで無き事を 八時の仏間 不意の父が香
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この気持ち喜怒哀楽のどれなのか分からないまま涙は流れ
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さつま芋 蒸して潰して 羊羹ようかんに 秋の味覚と 照りつける陽と
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英語ではスーパームーンというらしい竹取の姫今夜かぎりに
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避妊手術仔犬にさせてさまよって浮世絵春画美術館に会う
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夏場より少し丸みを帯びたのは月より私を見て欲しいから
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陸覆う黒きドームの天頂に 円き穴穿け覗くは誰か
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明日あすからはまたも不遇な宮仕え 光っているか?雲上の月
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選挙カー 幼児おさなご寝てなお自己主張 民意と乖離 此にあらわれん
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「愛」という言葉を辞書で引いてみた なんだそうか、そういうことか。
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草原をハイジのようにかけまわり「あはは、おほほ」と暮らしてみたい
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来月も気温下がらず秋は来ず 種蒔時期もだんだん後ろ
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特別な 予定が終わり そのあとの 一週間いっしゅうかんは ほぼ二倍速 にばいそく
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願わくばもしもピアノが弾けるなら 黄泉で奏でる西田敏行 は
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メロンパンの入った袋ふりまわす 嬉しくてついぶんぶんうふふ
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衣替え遅々と進まぬ神無月 箪笥の秋服 退屈そうに /29
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アイスだし うかんだいっしゅ ねっちゅうす このあき何本 とかしただろう
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絵に描いた 優等生の お前でも 死ねばいいのに とか言うんだな
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人間は 外見じゃなく 中身だと 笑った君の 舌にはピアス
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わらってる 遺影えらんだ ちちとはは みるたびあんど ほほえみかえす
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ふりおろす棒に悲鳴をあげたのは犬であり そして内なる私/奇妙な仕事
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あの時に時間よ戻れ里心 だけど帰れず陽がまた東に
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知っている有名人が死んでいく ニュースがわかる歳のせつなさ
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おでんの具 入れるものにも地方色 食べて味わう日本の広さ
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アイスチャイ売れまくりたる陽気かな ねこ母もそこはたがえないのよ
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おにぎりは家で握ってもコンビニで買っても価値は同じ横軸
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わからないああだこうだといわれても 私の哲学私だけがする
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ウナギたす1書き別の生き物に変わると何になるでしょ~うか?/なぞなぞ短歌(答・ウサギ)
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八十キロピアノは弾かずコミカルに西方へ行くハマの釣り人/合掌「西田敏行」
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小一時間ほど早く着き ひとりカフェ 年6回は来たい隠れ家
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