後朝きぬぎぬの涙を露と宿しおきてなほ面影に咲ける朝顔
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いつもより迷走台風ノロノロといつまで居座る夏の終わりに
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暗闇にリンリンと鳴くすず虫に耳を澄ませば秋はそこまで
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朝方に愛猫きみに起こされ餌をやる心優しき慈愛の眼差し
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西欧にて胡椒は肉食に不可欠な黒き黄金とも言はれき をかし(医師脳)
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水たまりにボチャンと入る子の姿 懐かしくあり眩しくもあり
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野暮天やぼてんをあえて装う風流士 据え膳食わぬ男の美学
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マテリアル 融合すれば稀に見る素晴らしいもの目に焼きつける
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たぶん今日 初めて会った人なのに 誰に似ている誰を見ている
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てのひらの上に残りし土の香は 遠くなりゆき八月の原
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真夜中の電話だれかにとって今はたった一人のひとかもしれず
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大切な物を絞れるようになる頃からトトロが見えなくなった
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現世では ちょっぴりつらい みち歩く 宿命だよね なら仕方なし
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眠る間も 惜しいと吾に 暗示かけ 短歌詠みつつ 深夜愉しむ
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ごめんねと言えば言うほど我が心浄化される気がする…なんて嘘くさ
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島さんが働いているコンビニにふらりと寄って買う缶コーヒー/(島さん(漫画)を読んで)
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ワクワクと溢れ流るる好奇心心の奥をレンズで覗く
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誰よりも心配症のきみだから もう年末の掃除計画
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テレパシー君にずっーと送ってる まだ届かぬか横浜あたりか
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「バチェロレッテ」見ましたか? 費やした時間を返せと怒る
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目的地 本当にここで合ってます? 昔のあなたに聞いているんです
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3ヶ月待とうと決めたあの日から 貴方の影が見え隠れする
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窓開けて 風と湿気を いれようか ベタベタ湿気 窓閉め我慢
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君の影消したいけれどパスワード 君のクラスと出席番号
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このたびは蚊には刺されぬ夏だった腹を透かしていないだろうか
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海賊にならないよっていう声で海賊王になるといってた/今日で19回目の放映
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夏のバス 温度差でしぬ 寝起きだし 朝ごはんお茶 飲んだだけだし
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突っぱねた のに欲しがった ものはもう どっか行ってて 関係が無い
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カーテンを揺らし揺らして風を入れ遠く居座る台風のこと
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一円より軽いいのち一円玉の重さは忘れてしまった
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