この店は学生時代好きだつた人と来た店夕暮れの窓
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日が暮れて明かりが灯るかまくらにぬくぬくいと頬あかい子ら/雪②
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庭雪に幼子たちは熱くなり白へ飛び込むパジャマのままで/雪①
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果てのない湖面を越えた冬の風コートの裾を巻き上げ走る
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雪遊び手足の凍る帰り道母待つ家のありし日のこと
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本当のクリスマスって静かなの 園児の劇降誕劇に心温もり
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鼻につく おまえのことも うたにする 三十一文字ぶん 距離をとる
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「次の授業聖書だってよ」「え〜寝そう」プロテスタント高校の日々
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冬は好き冬服ぜんぶ可愛いしつけすぎチークも許されるしね
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「ここめっちゃカレーの匂い」「えっマジやん」犯人は私カレーパンのせい
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アドヴェント蝋燭二つついたまま大礼拝堂ひとけもなくて
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電線の烏の下を通るよう安らぎのない日々はここまで
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商店街 ささやかなるがクリスマス よくよく見ないとわからぬイルミネーションイルミ
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加湿器の水が溜まるの待ちながら すっぱいぶどうの考えばかり
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度が進む、輪ゴムを虫と見間違う、老眼鏡またひとつ買う
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愛しさに肺の隙間が動かない窒息するぜまだいるのかよ
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腐ったらそれで終はりさ口笛にみづみづしくもひびきゆく沢
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3日前人参やったしんどさを今朝の冷え込みまだ腰が言う
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朝おきてややに残れる微熱あり そは昨夜ゆふべの夢 名残りとし思ふ
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ガリレオのやうに 少数派マイノリティ正しき事 この世にきっと たくさんあるね>クレープ屋のおじちゃんと話してた
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刺されてもいいよ君なら 夢見てるみたいな気持ちでうつつを終える
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「休憩の時間だよ」って もうそろそろ 天使が我にささやいている
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へそ天は りらっくすしてる しょうこだよ こうばこずわり香箱座りも あんしんの ねこ
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淀川も激しい方が好きなのでサーフィンなんてすなよ怖いし
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明日の朝 隕石が落ちてくれるなら、僕は素直になれる気がした
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一斉にテンジクネズミ鳴き出すとまるでスマホの地震速報
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冬寒のあかつき 駅へ向かふ人 それぞれ背負ふ背景ありて
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ラーメンを決して食べぬと誓ったに また食べちゃったよ酔っ払いの俺
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ゆく川の流れのままのUtakataに小さく弱いいのち見つめる
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ボーナスを 貰い喜ぶ 単純な 人になれれば 幸せなんよ
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