仕事嫌い 休暇の最中 仕事好き これが仕事嫌いの理由かな
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抱かれても 何も感じぬ 穴埋めの作業に あいは存在しない
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古楽界 最高峰が 奏でたる 心沁み入る 通奏低音
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熟れたまま干からびてゆけ かのバルコンに吊るされしあはれ柿どち
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車窓から幼き日々を思い出す 母の記憶は曖昧なれど
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やさしさとユーモア滲み狼狽える 久永草太若き歌人の歌集を仕舞う
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のみ込まれ そうな雲行き 他人とは 比べないこと 花は一輪 /
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この胸に中途半端に温もりを与えたのだから責任を取れ
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あの先に 何があるかも 知らなかった あの日あの時 十三の夜
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泣く理由わからぬままに泣きやまぬをさなごだきてくらやみのなか
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朝早く パソコンつける 生活に 慣れてしまって 寝るまでチャット
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生活に咲く花を摘み歌にするいつかあなたに届くだろうか
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悪いこと しているうちに 善いことを 忘れてしまう 自然の摂理
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発熱で 固い扉が 融け落ちて 素直な君と 話ができた
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子供にも 事情がありて 正直に 生きることなど できぬ相談
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感動は 共感に尽き 幸せは 共有による 心の世界
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もうなにも言わないでもう出てってよ愛してたから殴りたくない
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独り言 ぶつぶつぼやく 人よりも 短歌をしてる 人がまだまし
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陽は落ちて ムーミン谷に 影深く 彗星探し 海底を行く
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短歌って 生きてる今を 切り取って 文字に残せる スナップ写真
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ちさき庭 日に日に紅く 色づいて 最後のひと葉 つたの葉揺れる
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駄作でも いいんじゃないか 暇つぶし 心の内を 吐露するだけで
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俳句とか 短歌にかける 情熱の 半分さえも 物にはかけぬ
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面白く 可笑しく生きる はずなのに 真面目実直 普通の男
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コンピュータに脳から意識を転送しデジタル来世で不死めざすとか
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銀杏の黄色の秋に包まれて心は空っぽ空を見上げる
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うた友の 筆名の由来どこからか 秋の夜長に ふと気にかかり
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慟哭の叫びを僕にぶつけても重さは軽しスマホなんかじゃ
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検診の 待機時間に短歌うたを詠む 愚作駄作が 次から次と 
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「君の撫で肩が好き」と言われた日から肩の力をふっと抜いた
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