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あそこの家のばかいぬはもうずっと前に死んだみたいよ おかえり
4
シラップに浸けた
吾の子
(
あ こ
)
がまだ指を吸っているような思い出
5
突然の雷雨に驚く人々の 日傘代わりて雨傘となり
20
歳重ね 身体の不調有りつつも 笑って今日生く 友に励まされ
18
青空に春雷響き通り雨濡れた身体を陽射し包みて
18
咲き過ぎて枝折れ落つる花を見て程よく生くる理を知り
23
この恋に 捧げた夜を思い出し 私はいつか、泣くのだろうな
30
店員に服のサイズを尋ねたら「ありま⋯」と唱え探してくれた
28
今日の無事 感謝し一日 終える九時 おだやかな明日を 願いつ眠る
12
旅先でよく知る街の名前聞き一気に郷愁湧き上がるなり
13
検診の予約増加を誇りしも老医の吾は「ああつかれた」と
7
昨日とは違う我が子がリビングに「成長」という、淡きさびしさ
29
今年初のデートで「これいつもの」とハート缶♡今年もよろしくね/聖告白日
7
「ビンゴかも」そうなる予感キミに逢いあなたに会えて君にも逢えた/皐月拾参日
12
失敗の重さや軽さのこと思う 窓にぶつかる雨の水玉
28
午後五時にあなたと話す夢の中でだんだんわたしは形を成す
13
神代にも聞くや藤浪
竜
(
[立つ]
)
田川紫色に水くくるとは
8
心臓に埋めた秘密の熱量で背中の繭は羽化せず腐る
5
アゲアゲの アゲアゲアゲの アゲアゲの
1
ポッカリと穴空いたよな心地して カップのライン 朧に揺れる/ひとりゴルフにて
14
皐月空 夏日と言えど風
清
(
すが
)
し 短き季節 今存分に
22
ロベリアの可憐な青に足止めてスマホ疲れの瞳洗われ
16
夏へ奔る陽を背に受けて 覗き込む波の揺らぎにこのまま深きへ
12
あの音は大正琴と思ひきや ダルシマーなる胡の国の琴
13
人造の涙で別れた画面越し
(
久方の光のどけき春の日に
)
しづ心なく 花の散るらむ 033/100 紀友則
12
午後三時 春の木漏れ日 食後のティータイム 好きな人との長い時間
2
校庭の朝顔ふたばを並べたりキラキラネームのプレート刺して
12
ベッドサイド 心象日暮れ 帰納的孤独はいつも 「またね」の合図
4
草枕小さな旅の音律に 山の向こうの景色を思ふ
13
酢漿
(
かたばみ
)
の 黄色と
酸
(
す
)
いが 連れてきた 青き炎天 もうすぐそこに
20
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