子どもらの子ども時代を記憶することが大人の大事な仕事よ
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爪研ぎを 畳スリッパで する愛猫きみの 無邪気な姿 笑う真夏日
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我は君 命預けたにこいちを 「いらない」云われ しんだ孤独死
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他人から吊り下げられた個性というアクセサリーに私は埋もれる
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私もう 貴女のことをいいわけにするはやめたの 死のうが他人
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懐かしく 暗闇にいる同胞の 吐いた言葉に わかるいいねをつける
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Tシャツに汁飛ばさぬよう慎重に麺口元へ箸の上げ下げ
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どうしても 「ありがとう」だけ 云えぬ我 子らに教わる 素直な気持ち
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こんなにも海は深いし空は広い あなたに分かる?この美しさ
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百合のは わりと好きでも ねこたちに 気を使ふなり 入浴剤でも(大丈夫かなー)
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棚の本あれ?いつの間に横倒しいまだ読まれたことない本たち
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今日の朝八時くらいの天候がずっと続けばいいと思った
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君の住む町も暑いか風よ吹け 君がやさしく眠れるように
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今年ももう半分過ぎた早いねと去年の今も言った気がする
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顔のないクーの首を絞めながら夜を誰も恨めない癖にわたしはみている
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巻末に訃報の載りし同人誌 適確な歌評を示す方だった
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君に似たAV女優いるよって言われちゃったのバレたのかしら
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今日の日を中晦日とか名を付けてイベント化する輩は未だ居ぬ
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出勤は湧く雲の峰眺めつつ 帰路三日月にそっと添われつ
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義姉あねの宅兄妹きょうだい 八人集まりて片付け競う六百二十九歳
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白旗を掲げてもなお殴られるそんなコースを泳いでいます
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担当の季節のしつらえ褒められて七夕飾りがくるりと回る
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雨粒がひかる油絵の車道で 胸締まるのに思い出せない
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あの日から魔法にかかったままなんだ 君ささやいた♪ちちんぷいぷい♪
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3時間遅れて届く配食に もはや仏の境地に至り/配達スタッフ緊急入院
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父さんが鍋焼きうどんを食べている冷房がんがん効いてる部屋で
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お体にお気をつけてと言うことはいつも本気で半ば祈りさ
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福寿堂の「水無月」たいそう美味しくて 来年もこれにしようと思ふ>夏越の祓
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夕焼けがビヤガーデンの人々を一人残らず飲み干していく
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私にまつわる比喩をほどいてありのままの私でいさせて
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