白二点 ヤマボウシの花 富士の雪 武蔵野の丘独り歩いて
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素粒子が人間にまで成り下がり そのことに意味 あるかないのか
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蒲公英タンポポの綿毛を手にし風を待つ三歳みとせの孫の眼には青空
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並ばない万博なんてアルワケナイ 夢物語よ 誰が言ったの
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ねこがねこを うでまくらしてる 微笑まし 朝の光景 目の保養なり
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やわらかい毛布のような君の声10年ずっと包まれていた
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本当ほんとなら 生きていれば・・・を 飲み込んで 十六歳の 日を祝うなり
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愛犬きみが去り 初めて迎える 誕生日 いつものように ケーキを買いて
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大雨が 嘘のように 晴れ渡る キミもそこから よく見えるはず
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ふさがった耳軽くなるすごかった豪雨小雨へやだ息が合う
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評論家 操り人形 黒幕が コントロールして 踊らされている
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昭和には 冷房中が 売りだった クーラー効いた 喫茶店は天国
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暑過ぎて クーラーつけて 寝たはずが 汗びっしょりに 暖房をつけていた
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さみどりが うなづく川辺 伸びしろが 少ないなりに 肯定されて
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幼少期 電車の車掌 なりたかった どう間違えたか 経営者になってもた
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信じとこ 星に祈りを 捧げてる 好い星占い 成就するかな
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何気ない 朝の幸せが そこにある コーヒーの香りと 傍らの君
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マジックで外箱にかく筆跡を変えてたのしむ祭日やすみの仕事
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深呼吸 吸い込む空気 一直線 身体の中を 風駆けめぐる
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世の中のこわい存在識る二歳ヤギを見てママに抱きつく君
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花が咲く我が家のリビング花が咲く 旅から帰りし息子きみ土産話はなし
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ふるいかけどれが地雷か見ているがとんと分からぬ怒りの理由
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後ろにいるのに気づかないふりのあなた代わりに広い背中を独り占め
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グリーンのペンで書かれた君のメモ持ってるだけでずっと花束
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山肌に春の残雪眺めいて恍惚とする過ぎし想い出
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柔らかく柳が揺れる風をもて泪の如く桜散り舞う
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淡い春 性旬終わり 老害は 己で歩く 前だけ見据え
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朝摘みの新茶なれども人は言ふ。「八十八夜の長寿の薬」と
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ベッド脇 もたれてスマホ眺めたる夜の シトシト窓叩く雨
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てのひらに落ちた桜を水浮かべこの静けさで今日を始める
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