独眼の ハーフムーンは トタン屋根 あたかも海を 眺めるように
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散歩道 猫の挨拶 受けにけり それにつけても 早期復興
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躊躇ためらえば禍根を残す子百足をすかさず潰すやや躊躇いつ
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仕事前うずうずしてる胸の中湧き出す不安湧き出す希望
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大抵のことはなんとかなるさって君は明日へ駆け出していく
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あのひとに差し出した左目は今頃何を映しているだろう
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しわがれた 隣家の老犬の遠吠え 風呂窓を伝う夜 切なき
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妻の星 探す間もなく 父も散り 映る新緑 モノクロとなり
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民族自決から個々人自決に向かう、と思っていたら違った
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心地よい民族自決の旗掲げ また始めたよ今度は印パ
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葉を伝ひ雫落つるも音の無し苔の花見る山路も初夏なり
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私の恋は山深く咲く花でよい人に知られて摘まれるよりも  
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手探りでストーブの裏を確認し忘れぬうちにフィルター掃除す
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雨に濡れ 鮮やかさ増す山ツツジ 紅紫色あかむらさきに咲き誇るなり 
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吾の恋の笑顔眩しき君なのに芽のでぬダリア永遠に旅立つ / ギャラリーダリア冬越せず
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青梅を綺麗に並べる硝子器に入れる焼酎あとは砂糖も
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花火から落とした先できみどりの見物にんとふっと目が合う
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驚いたヒト科に息を吹かれてもただケツ向けているすいっちょん
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キミからの 誘いを受けた 正しさを まわりは皆 間違いと言う
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いい嘘と 悪い嘘とが あると言う 私の涙は 悪い嘘だと
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忘れられないね、終電、光る街、はじめて頼んだレモンサワーも
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空が青かったり鳥が飛んでたりきみが生きてることなどが理由
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返したら終わっちゃうから何度でも消したり開けたりする緑色
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つめの色みずいろにしてあの人のことなど春で塗りつぶしてよ
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何回も 描き直す君が 僕を見て 上手く描けない 紙はボロボロ
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さみしくはないけど今年は何方どなたかと動物ふれあいデートがしたい
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激甘の クイニーアマンを 食べるんよ コーヒー牛乳は やり過ぎやない
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はじめまして、異星のかたへ こちら、愛は義務教育では教わりません
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思い出も黒歴史も抱きしめていたタイムカプセルいつ開けますか
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すこし悪いことをしようよ、総武線 手づかみで食べるいちごのケーキ
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