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スマホ無き時代に帰って文通のやりとりしたし令和七年
11
プロ野球、推しのチームの勝敗に一喜一憂、母親のごと
14
空席の光を抱いた矢は翔んで 置き傘ひとつ雨を待ち受ける
9
「終電がくる前に」と線路越え 手旗のようなシャツを振るきみ
6
冷房の切れた車内で時計だけ 爪を噛んではまた吐き戻す
9
炎昼のアスファルトから蒸つ銀河 靴底でまだ鳴っている蝉
7
今日よりも若い日はなく 明日をも知れぬ我が身だから 人の脆さを知っているから
7
行きたいところに 明後日行くつもりの私 いつか行くつもりの貴方
5
ちぃ様と呼んでいた頃ときめいた あのアルバムを聞き返す夜
6
よく見れば 蕾わずかに 残りおる 花の香りも 間に合いたるや
21
ハミガキコ どこまで使い切れるかな むぎゅうと
力
(
ちから
)
の入りぬる指
14
雨降りで着替えもせずに過ごす日は洗濯物が少なくてよい
11
恋では無いそんな軽さで済んでない さうでなければきみに届かぬ
6
実家から戻った部屋が寒いのは五月の雨のせいだけなのか
14
.遠方より友来たりあり、また楽しからずや 。懐かしい歌です
9
二年前
K
子と訪ねし桜木よ 視力なくせし彼女はいかに
19
カフェで待つ恋の予感の兆しつつ予感を打ち消す自分もいる
7
思い出となる今日を生きているいつさよならを言われてもいいように
11
豆ごはん「あとまぜ式」がよろしかろ 炊いたらわろし黄色くなりて
14
満開に廃業農家の庭飾り桜前線オホーツク着
23
藤房が 涙に濡れる 皐月の日 孫に送られ 父は永遠へと…
25
「旨みをぎゅっと凝縮し」とか、食レポ言葉を使わず食べる
14
ご近所の会社の敷地
石楠花
(
しゃくなげ
)
の
艶
(
あで
)
やか咲きて休み明け待つ
22
昼ごはん隣りの客はチャーシューメン二百円分負けた気がする
13
ゆびさきで からだもこころも ほどけてく ぼくをおもって なぞってくから
7
桜散り、舞う花吹雪どの空へ、飛びしあなたは戻らぬ旅路
6
あの人へ 想ひ伝へることもなく
三十一文字
(
みそひともじ
)
に
認
(
したた
)
む本音
22
ふたりきりなのに音楽聴いてるの?別にいいけどちょっとつねるよ
6
SNS見ない わたしが亀ならば手足を縮めるだけでいいのに
6
お嬢様、あなたと一緒の時だけは「けど」を「けれど」に言い直したり
7
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