一触即発の発のボタン押しピンポンダッシュのヤツを知る
1
靴擦れる ヒールを履いて君を追い「大丈夫」って、ズレていったね。
2
哀しみに踊らされたる夜を超えカレー曜日は中辛の朝
6
いつも行くコンビニドアに求人の張り紙あって 誰か辞めんの
11
塩漬けになった睫毛はばさばさで心もたまに軽く風邪ひく
7
眠れなくなったと笑う唇が零す言葉で温度を計る
3
村八分じみた君の目に射貫かれて熱燗は手をすべり落ちたり
1
この文が猿が書いた文章である確率を求めよ(10点)
3
こんにちは、お久しぶりです、そうですね、思ったよりは寒くないです
3
年明けて十六歳をやれるのか甚だ不安 助けて伊代ちゃん
6
待ち侘びて来ぬ人想い雪に濡れこれが答えと知りつつ案ず
8
封の開く個包装チヨコレイトのこれからを想像しているの
2
肌寒い十五の春に望んだのは(大丈夫って言ってほしいよ)
3
木枯しに京都の街は濡れにけれ母と父とは掛け落ちしたり
3
バカヤロウ俺はお前の父ちゃんだぞうるせぇなもう母ちゃんのくせに
2
蕎麦喰えば歌が鳴る也大晦日紅と白との仁義なき戦い
1
にせものを見抜く力を手に入れて彼の姿が見えなくなった
4
曇天に僕の記憶を預けよう しけた雲では誰も触れ得ぬ
1
『ポロメリア』 夕立ち色の前奏が 世界で一番 綺麗な音だ
3
二時前の夜のいただきスーパーと名乗るアイスを眺めてりぬ
1
テセウスの船を考えた奴は何故 生きてることを許容出来たのか
1
この雨のすべてが電気ブランなら躊躇わないで言えしものを
1
我がこころを以てアルコールと為すべしや君のまぶたを下ろさんがため
1
この胸に乙女心がよみがえる小娘みたいふるふるふると
1
窓越しの冬の日あびてコーヒーをあなたと分かつ思い出一つ
4
いつまでもサンタがまってる庭先で寒いでしょって僅かをともに
2
会うことはないよきっとこの先もだから幸せ願っていられる
3
思い出は消毒液を泳いでたエントランスの回遊魚の下
4
自由が丘 発の真っ赤な 東急バス 2人で座って マフラー巻いて 
4
鮭おろし北海道旅す友人の詩人は書きて懐しむかな
2