すすき野の道は広くて寒くって逃げられないと覚悟しました
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ぼくはそう幸せでした幸せでした人生が作りものでも
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新しい匂いがするよ100年もあなたはここに建っているけど
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暗闇できみのウロコにふれた手がびちゃびちゃになる 聞かせて、声を
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言葉では言いつくせない感情に連れていかれる。窓辺でぼくは
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桜雨明日の舗道の掃除とかまだ寒そうだが誰がするのか
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揺れ動く自分の覚悟とアイデンティティやめてほしいよ決意したのに
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うららかな春の陽気に窓を開け 飛び込むなかれ小虫と花粉
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「また黒だ」コートの色は何故暗い? 首をすくめる人々を眺めて
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わずかでも 内なる元気 呼び覚ます 呼び水となれ 美酢ミチョソーダ割り
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雨雲を吹き飛ばすつもりで傘開く 早く見たいな青空と桜
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少しだけ 後ずさりした 春の朝 少し厚めの 上着を羽織る
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うららかな春の陽気に浮かれてた 桜と私が冬雨に震え
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ちま猫に よく似た画像に ふと和む なんと お名前はココちゃんといふ
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会わずともまぶたに浮かぶ18歳の桜舞い散る卒業写真
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それぞれに事情はあると思うけどイスラエルからメールが届く
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さわさわと寒の戻りの雪柳 名に負ふ白さ気高く揺らし
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弥生末 寒波襲いし 東京で 外出るために ダウンまた出し
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春休みのたりのたりと過ごしつつ思い出したよ国語の宿題
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寒風の針を頬にぞ打たれつつ己に語る山にはあらじと/(後から考えた案)あらずと
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子らの笑み思ひて天に祈るかな明日の祭まで花を散らさで
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背景のやうやう暮れる空のもといとど映えゆく花の赤みや
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先週の土曜は昨日のことじゃない?あなたの部屋は月曜始まり
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草は伸び ともしびもなく 寂しげに あるじの帰りを待つ 古い家
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きみからの返信が途絶え二週間スマホを捨ててみる 拾ってくる
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あの時間行けば開いてるいつもの居場所気のせいだった閉店したんだ
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病人の肩をさするその温さ気の毒なのに羨ましいのだ
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ラテアート*ハートつらぬく愛あらばうれしからましを君がからだを
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顔のない男と女絡まりて二度とは逢わず朝の喧騒
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米を研ぐ 必要のない 無洗米 手間と一緒に 何かをなくし
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