しぼり出すちゅ~る 冷ゆる指に着きし める猫のさき舌 ぬく
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ポケットの赤い詩集の隙間から紡ぐ言の葉は真紅の響き
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君は僕の一等賞 僕は君の三等賞らしい
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君が言ってた「ロープしか私を救えない」 本当だった 僕には救えなかった
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生死に価値を付属させない子供たち
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君知るや 人目も恥じず 睫毛墨マスカラ の 落ち滲みたる 我は泣きおり
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満員電車のつり革の鳴き声
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朝だけは電車の十分間だけは 違う制服の君のとなり
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冬だから虫はいつもより息潜め人はいつとなく白い息吐く
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お風呂を沸かしたくて沸かしたのにな 沸いたら沸いたでめんどくさいな
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同じ話題が欲しいけどルールさえ知らない私が待つはホームラン
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20年先の未来を変える為けむたがられるお仕事してます
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乗車して下車するまでの三十分 夕陽は沈む釣瓶落しに
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ねこおやつ おわって自分は 昨日のパン かるくトースト ハチミツバター
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おいしそう 彼女に見栄を張る コロナの後遺症で味覚ないのに
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三つ編み頑張ったのにごめんね 子が寝たあとの くろいアップルパイ
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7勝3敗より最下位の7勝10敗のエースピッチャー
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窓越しの陽射しにいつも騙されて疑い深くなっていく冬
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アドラー心理学を実践できない私に生きる価値はあるのかな
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完全を知らないままの不完全 服もメイクも無意味なこころ
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愛犬の逮捕に走る 転がったワインのコルク咥えて逃げた
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山越えて 街を過ぎゆき 立ち止まる 人の在り方 晩の献立
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はだいろがピンクベージュと名を変えて澄まして座るクレヨンの箱
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大好きを大嫌いって訳して言った 伝わることを信じた後に
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陰鬱な気持ちを抱え込んで寝る僕を干したて布団が包む
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のんあるの ラミーが発売されたとな 一度は食してみたいものなり
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信号が青くなったから 飛び込んで赤くした ごめんね運転手
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朝晩の冷へ込みを他所よそに 小春日の微笑むけふは 師走中旬
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死ぬ時に 役割なんて ありゃしない どういう人か それだけのこと
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人間は 役割通り 動くもの 仮面をつけて その気になって
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