並んでたはずなのに、わたしを置いて貴方は遠くへ行ってしまって
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今はまだ 貴女が笑う 実力も いつか短歌で 惚れさせたいな
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あかりを、灯す。灰に濁った身が揺らぐ
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人生の終点に、 「思い残したことは?」 「特にありません。強いて言うなら、あの子の未来が。」なんて
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キッチンの明かりを目指し 着衣泳 雨音止まぬグレーの昼間
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わたくしはここで降ります なお各自よい物語考えていて
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逆さにして振っても出ぬが気にかかる石粒靴にも心の底にも
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日々の感謝の数は、友達の数
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「何故、わたしは生まれてしまったのか」と考えることもあるけれど、「生まれてきてよかった」と思えるのが多い方がいい。
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窓際のカビと埃と涼風と 少し早めの蝉の鳴き声
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とりせんの七十八円の緑茶越しに丸まった 君のゆるやかな呼吸をみている
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そこどけとお出ましになる苺月金に染めらる黒の雨雲
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「星きれい」ロマンチックなこと言うな告るなら今と俺を誘う
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あじさいの天ぷら やがて手は届く25階の4人部屋から
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「ららら」と言ったら、「らららら」と、返してくれる人がいい。
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ねこたちは かつぶしゴハンに まんぞくげ わすれられたる ねんねまえおやつ
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のしかかる湿気の重き指で繰るきらめくインスタ涼やかなラメ
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虹に手を触れたら虹は消えちゃってゆりちゃんも嫌だったのかなあ
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おっさんはまだipodを使ってるサブスクにない曲聴きたくて
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雨で暇プレイリストを作ってた明日の散歩はそれを聴くんだ
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コロンボがロス警察にまだいたら チリコンカンはゆっくり食えぬ
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ロッカーにきみが隠したストロベリーフィールズ ぼくを呼ぶ風の声
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ぼんやりと まぁるい月が 微笑んで 地球ほしを見ながら 微笑んで
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あ を見てもたぶん笑っているひとだ愛することを知らないひとだ
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凸凹の 豆が潰れた わが両手 幼き日見た 親父と同じ
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亡母ははのため贖いし花に惹かれてかさき蝶々と戯るる道
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図書館で七冊本を借りてきた借りすぎたかも二冊でいいのに
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オトナへの切符見えたるキミの謂い姿滲むはきっと歳のせい
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Floral dandelion breaks isolation and fusion.
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金曜は「いつもの方」になる夫  花屋の認知は優しき証
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