やうやうと白くなりゆく生え際をガーゼの如きバスタオルで拭く
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それならば曲がった松で生き残る昔老子が教えてくれた
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まっすぐに伸びた松のみ切られてく曲がった松は生き残る
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母のためよかれと思って選んでたそれは間違い自分が選ぶ
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君ひろふひろひあつめて何になる貝がらはどれもこれも不恰好
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何度でも紅茶のポットをのぞいてまともでいようとした休日
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拾ひてすて、拾ひては捨てし海浜の貝がらどれもこれも不格好
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「もう師走やんなっちゃうわ」と言われても笑ひ誤魔化す人によるから
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要るものも要らないものも特になく 必要でも不要でもない俺
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異国の字 刻まれし瓶は この浜で 安息を知り航海を終え
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剪定せんていと思っていたら斬られてた好きだったのにと布巾ふきん干しつつ/公園の·家から望みて
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編みくれし亡姉との想い出さがしつつセーター解くゆっくり解く
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生きるとは死ぬことなんだよ知ってるよ愛する人が哀しいんだよ
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ねこはなぜ きまぐれなのか ねこだから こねこ・おやねこ・やせいに かいねこ(の、キモチ)
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3センチほどの(百均)ツリーに目を細め 欲しいが飾り付けは無理である(笑)>ピンセット?(笑)
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毛糸パンツ 腹巻きさんに 履き替えて(汚れたらいかんからね)さあ来るなら来い また遅れてる(苦笑)
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壁ひとつ隔てていびきの可愛くて妻なる人の寝顔を思う/なんとなく五百首になりました
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通院も 予防接種も 生真面目に もはやが為 分からなくなり
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趣味短歌すっげーマジメなんだねと言われてしまう言わせておくの
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秋がなく 冬が到来 大急ぎ 衣替えして ああもう師走
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柔らかい雪を払ってくれる母その温もりに「ごめん」と言いたし
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花は散るつぼみの首は地に落ちる墓標に眠るこころ守って
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だれひとり知らぬ秘密を抱え逝く墓標にぽつり恋の花咲く
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ほんとやだ!顔も言葉も大嫌いなにより不快なうしろの絶壁反骨の相
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メディアリテラシーを叫ぶネクタイに眉をひそめるめでぃありてらしぃ
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故郷は、君と僕とで、違うけど、 何度も往来、忘られぬ里。
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秋過ぎし、冬廻り行き、君の棲む遥か 彼方は、暖かき、日々。
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検診で子宮がん見つけ連絡す。矜持と責務のアンビバレンス
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雲低く 垂れ込める朝 薄陽差し 謙虚に生きる 大樹を思ふ
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朝五時半 始発電車の音澄みて 冬らし今日の 始まる音なり 
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