カーテンを開けてコップの水を飲む 未だつぼみのあたしだけれど
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ギボウシは 梅雨の滴を 飲み込みて 花が絶えても 時の残り香
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猫になら 愛してるよと 軽やかに 幾度も言える 響きなれども
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不思議なり一歩先読む妻の言 「それいまやろうと思っていたとこ」/子どもに返った気分
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ありのまま 出てくるままに 謎を解き 互いにほどける 二人の視線
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血のなかに病のごとく棲むものか家族という名の解けぬ因果は
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夏風が さらってどんどん 消していく 君の思い出 線香の匂い
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貴方だけ 生まれて初めて 最愛の 言葉の裏に 比べた他人と
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掃除して 珈琲淹れたら 要るものと 要らないものが 見えて来た
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飽和した 世界で私は 腹が空き 夜が来るなら 眠くなるのだ
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自らにこの世を去った弟へ 捧げよ煙 染み渡る肺
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青空の下をてくてく好きな場所歩いていけるそんな幸せ/膝痛
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「一鶴」の骨付鶏を取り寄せて 遠い讃岐の暑さを想ふ
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この頃は 原因不明の 高温に 季節外れの 氷を掻き込む
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ケンタ鶏ナイフとフォークで食べること 私は一つの美学にしている
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ぬか床に胡瓜とにんじん埋め込んで 隙間にオクラをねじ込んで待つ
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枝豆の両はし切りて茹であげて 絵鉢に盛りて夏を眺める
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「眠れずに隈(くま)ができた」と笑う君 私の所為でありますように
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振り向けば あっと言う間に過ぎてきた 一年十年 多分一生も
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万緑をロープウェイにて眺むれば枯れたる杉のシミとして在る
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あれとあれ あれも入るな あれもやな エンドロールの 俺のNG
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田の緑色は匂えど風に揺れ涼味一福風鈴の音
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薄れゆく写真に記憶の再起動 四十年の過ぎし日想ふ/AIにより鮮明に
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一定の 間隔刻む 秒針は 六十秒で ちょうど一周
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垣間見える 折り目を見ながら 邪推する 二人きりの部屋 掃き溜めの鶴
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詰替えがボトル品より割高はリデュースなぞも馴染みがたしや
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アガパンサス 名を覚へらば 「あ」がパンを指すと 夫(つま)との可笑(をか)しな会話
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どこが好き? 好きになるのに 理由いる? 他の好きには 理由を言うじゃん
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不器用で 泣けないわたしの 身代わりに 大雨は降る 爽快なほど
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思い出をたぐりよせればソーダ水 浮かびはじけて夏を飲み干す
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