珍しく飯でも行かね?なんて君私の腕の傷には触れず
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陽光の明るさ透かすその先にぽつねんと立つ長身の君
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靴を履き靴を履き替え靴を脱ぎ靴を履いてはまた靴を脱ぐ
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靴は革が化けてるもんで革靴はだったら頭痛が痛いみたいや
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靴箱に見慣れない箱 物心さえないころの私のおくつ
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空っぽな私と君で空っぽを一緒に埋める旅に出ようよ
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子育ての その折々に 余裕なく 必死に過ごした 日々懐かしく
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もふもふの愛犬いぬの形の空洞を心に抱え 供えるささ身
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鶏ガラとコンソメ混ぜちゃダメなんて誰が言ったの いいじゃん別に!
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天国へ帰る準備なのかもね 認知症も小さな背中も
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寝静まりカップ焼きそば一人食う卓に秘密の飛行物体
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野菜ちょっと足りなかったと言い訳し ビール片手に枝豆チンする>相棒📺待機
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ごうと吹く西風ときに雪乗せて この街らしい冬の本気
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大股でゆきゆき雪の坂道を登ればいっきになまら夕焼け
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てのひらで雪だけ溶けて未練だけいつまでもきらきら光ってる
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巨大なリボン雲と揺れてる地上のレジャーに見向きもされず
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果物も値上がりしててつらすぎて安いみかんの缶詰食べる
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雪雲が山の頂包むとも春をはこべよ蝋梅ろうばいの花
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懐かしき聖地巡礼無事済ませ独りの生を生きて悔いなし
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ホームドア まる瞬間しゅんかん ひびくベル 私をにがして スピードキャット
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鍋系がまた何日かつづくかな 今日は熱々の追い鶏雑炊
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この冬に食べたくておでん作りすぎ3食目は味染みわたる
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一心に団扇であふげる酢飯より立ちのぼるにむせしあの頃
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私だけが知ってる街に私だけ浮かんでいるの 心地がいいの
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カフェの窓 人の営みおもしろく 小説より奇なりとはまさに
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「この店は冬の白子天がうまいの」冬まで一緒にいられるかしら
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思い出に肩を預ける横顔が 身を焦がすほど綺麗で嫌い
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こんな波渚だらうと高括り津波となりてフジは呑まれり
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またひとつ歳を重ねる明日あすの日に 心を込めて言葉を贈るよ
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片言の娘に当たり叱った日若気の至り我の後悔
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