キジ鳩の野太い声が朝を告ぐ 石の街なかどこで鳴くやら
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ミニトマト 大パック使い切り ほっとする 198に釣られてまた買ふ(エンドレス)
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光あれ ねこがカーテン押し開ける ならば起きやう 今日も晴れです
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ポケットに ジグソーパズルの ピースがひとつ 次の夏まで 覚えてるかな
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卒寿過ぎ 暑い寒いも 難しい 母に代わって エアコンを入れ
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短冊の妹の文字七夕に「ねえちゃんてすとできますように」
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朝方に 目が覚めてふと 思い出す 寝たわけじゃない 寝てしまったと
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悲しみに濡れないように雨傘を今度は俺がさしだす番だ
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歳重ね 何不自由無く暮らせども 福来たらんと欲深き吾 
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6時間寝れたらひとまず及第点(ホッ)まだ洗濯はしづらい夜明け前
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ほんとうのさいわいは銀河にあるという それならわたしの銀河はきみだ  
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「またふたりきりだね、カムパネルラ」夜、祈りの汽笛を確かに聞いた
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目を凝らし耳を砥いでない今はもう 見えず繋がらずの詩神経
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花壇には知らずに生えた草さえも花壇にしちゃうやさしさがある
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ほんのりと笑った人が好きなのというほんのりをほんのり試す
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小樽にて寿司屋出で歩く運河沿い写真を撮ったそれももう過去
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嫌いじゃない致し方ない別れだと勘違いした惨めっぷりよ
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ゴミ出しを忘れ慌てて飛び出せば月が笑った共に笑った
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五月なら車で昼寝も出来たのに今は暑すぎマックで涼む
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歯ぶらしを噛み押し殺すあくび眼をつぶるとまぶた熱い弧を描き
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さよならも初めましても珠となり見える気がしてあの角のむこう / 遭遇の角・結
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手ぶらでもまだ歩けるとつぶやけば足もとの影すこし伸びゆく / 遭遇の角
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「ジャージでもいい」の「でも」とか審判をする口ぶりでいるのなんなの
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昨日とかその昨日とか飲み会でぼくはまとめて金を払った
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ぶつくさとお腹が鳴っていて耳を寄せれば人になる前の声
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いつメンが右手をあげて小さめに右手をあげる形の絆
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枝先に一輪咲いたあの花も枯れたいなんて願うんやろか
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見上げれば、月は湖、星は人、闇は大地で、ぼくは星だね
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シャンプーが泡立たなくてそうやって人から離れているのを知る
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どこだって聞ける音とか展示して世界は今日も美術館かよ
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