渋谷にて 我が遊びし地 変わりたり 変わらぬ一〇九マルキュー 早や三十年
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ひだまりの 机の上の 桜貝 見れば海辺の きみを思いつ
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この場所に生まれた意味を問い直せ蔑ろにしたぼくらのhoodフッド
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いつもより肌寒い夜に食べていた昨日の残り 冷めた味噌汁
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ものさしは何に仕えてるかだろ。気に入らないのはこの街の尺度だ
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外は外、内は内でさ混ざり合う 濁ったぶんだけお風呂はいろ
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紙の上 音と形の繋ぎかた 人の気持ちのほどき方の型
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純白の 花冠を 紡つむぐとき 記憶の中の きみが微笑ほほえ
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あれだけの星を溶かし込むにはまだ夜の暗さが足りないですね
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クソ食らえ コロナ禍向かい 吐き捨てし 返せ!返せよ!! 己おのが青春  
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御籤引く祖母と一緒の吉が出て同じと笑い隣に結び
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新春の稲荷神社のお供えは昨対二倍油揚げなり
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午後三時・午前二時頃 どうしてか憂鬱の顔がくっきり見える
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この声に呼ばれることが嬉しくて今日も再生ボタンを押す
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冬の昼 寒さのもとで 糸垂らす 孤独なれども しばし忘れて
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生まれたり生きたりしているだけでもうみんな十分苦労している
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蠟梅の 甘き香りに 誘われて たわむれし午後 蜜蜂と我
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真夜中に 清く香れる 蠟梅を 気づき給えや 愛しきひとよ
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いらんこと言うな大人しゅうしとれ耳にキャラメル詰まっとんのか
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春つ方 苦く栄養なき草の佇まいこそ凛々しくあらむ
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「あなたは生きてていいよ」無条件の肯定が降る部屋、午前、晴れ
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十年前夜中に聴いた一曲がいまだに鼓膜を彩っている
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「早く風邪治して」早く会いたいの代替語だと思っていいの
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言うことはもうないけれど絞り出す まだ切らないで まだ切らないで
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「私が厄年だからだ」泣く姉の横で苦笑の捻挫の私
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一級の建築家になるために ウーバー運ぶお前は特級!!!
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ベローチェの窓から満月見ていたら 2日連続でイッテンさん見た
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痛くても 劣化したって 生きてれば 悲しみなんか ぶっ飛ばそうぜ
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若者に 道を譲るな 年寄りよ 溌溂として 人生謳歌
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90を 越えた母親 数多く なぜだ父親 お先にドロン
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