午前四時頃目覚めた先の缶チューハイの生ぬるさに嫌気がさす
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胸の奥秘める野望は壮大で 悪役気分世界征服
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おそらくは親が死んだ日でもきみは魚をきれいに食べるから好き
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父母の 姿を隠す春の雲 見えずと慕う 黄昏の海
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高砂の 山の麓の学舎で学び嬉しき 学童の唄
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知らなくていいから絵や文字だけ観てて〝遺されたメモ〟を見つけるように
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ならべるとりんかくが浮かび上がるから遺物なの どんな◼️かいつか、
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眠るとき誰しもが視ては忘れたり等しく潜む超常現象
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膨大な時間が目の前ひろがっておそろしいから目を閉じる 覚める
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しかたなく結婚していた人たちの子の代なのだ、まだ、と思った
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放課後の理科準備室でハツを焼く君と同じクラスで良かった
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ジュブナイルと名付けられたマニキュアを小指に塗ってすぐに落とした
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あのときは猫を追わずに帰ったの だからなんにも始まらなかった
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五月晴れ 梅雨入り間近の青き空 このまま続きて夏来ぬも良し
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衣替え お気に入りのデニムシャツ 秋になったらまた会おうね
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階段の縁のゴムだけ踏み上る 息をひそめる癖が抜けない
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遙かなる深夜ラジオが告げるのは故郷の海の波の高まり
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思想も未来もないことにされてる僕らが上げるシュプレヒコール
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東西の町が争いぬ水論に 川幅狭く武士の高楊枝
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山二ツ 囲まれて引く 田草取り 手拭い下げて 捌きいるかな
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くるりんぱ 予定調和で笑わせて 「聞いてないよ」を聞いていたいよ
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誰しもが愛を伝える生き方を 推奨しますギブアンドギブ
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俯いている青年の睫毛見て息を飲む朝、許されたい朝
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予感から目を背けては笑い合いふたりはずっと友達でした
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ゆびさきがつむいだことばを束ねて異も同もない花になりたい
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紺青 猛々しく踊り狂おしく笑む旋律鮫の如く 恋?
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家族とか恋人とかになりたいと言わない人とだけ付き合いたい
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みづからの死を枉げてもつたふるべきことなくば去れ 刈られても刈られても藪の花
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新しきはなべて旧りゆくもの敢て町に出で行くひとへ 口語とその後
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君の字で君の名前が書いてあるプリントの端 指でなぞった
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