‪一本の、三、五、あわせて九本の、バラ、そう言ってはにかむあなた‬
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さざんかや ほろほろこぼる花びらは 刹那せつなにほへどもなまめかし
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デラックスメガ盛りパフェのスプーンを引き抜くうちらの天地開闢
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かまきりのたまごしゃりっと踏み潰す 就活なんかやらなくていい
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愛情の欠乏症です砂を噛むようなコンビニ飯が苦しい
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おのおのにおもひ人ある かたみゆえ 心解き難く 程は詰まらず
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あられ降り 首を縮めて水抜きを つらい月日も 温ぬくく過ごそう
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さきはひし言霊ことだまは今何処いずこにか 影ひそめては 星に響きて
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初めてのお化粧したの 就活のためは建前 貴方のために
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割烹着かっぽうぎ姿でいっぱい温もりを 込めて待ちたい 君の「ただいま」
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行く先を しかと見据えて歩みたる 若人たちの背は目映まばゆきて
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おもうこと甲斐性なしの情けなさ甲斐ある仕事出来るだろうか
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永遠を誓い合ったプルタブの指輪 滑り台の頂上にて
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ふたご座のひととあひみるみづうみのほとりにたてば夕波千鳥
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 シガレット菓子を咥える唇を掠めるふりして端っこを食む
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久方の音楽番組流し聞き 変化を感じふと手を止める
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蜜のない蜂の巣、海のない月面、思春期のない僕のくちづけ
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愚かなり貧乏性は貧乏だ分かったけれど変われず生きる
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ストーブの揺れる炎が頬紅のかわりに白い肌を彩る
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LINE消す ここは韃靼海峡の真ん中なので誰も来ません
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はっか飴舐めてから往く精神科あっけらかんと寒鴉なく
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珍しく空いた電車に安堵して うたた寝出来ぬ数駅休み
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舞うだけに飽き足らず泳ぎだす雪に閉じ込められし冬の始まり
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白珠の散るかとぞ見る小夜しぐれぬれて帰りし妹が黒髪
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生きていくことに決めたら純粋でいられないから死んでゆく歌
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‪人形になってしまえば曇らない瞳、魂、核と呼ぶもの‬
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‪スイッチを切って今だけ今日だけはあなたのかわいい人形になる‬
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‪この先をひとりで生きて行くために:・・・・・・・・・・・・・・‬
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久方のファストフードの割引券 熱きポテトでほくりと生きる
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育ててる そう自負してた 気が付けば 娘達に 育てられてた
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