ただでさえ眠るだけでも辛いのに夢であなたとキスした夜は
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火事あとをみるためにするまはりみち月かげしろく廃墟を照らす
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来年もオジュウチョウサン走るのか今年にめげる我は恥ずかし
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eveningの時間に私は死ぬでしょう「探さないで」の看板持って
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どうしてもはにかむことしかできなくてわらいたかったわらえなかった
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真夜中が凍りつかせた指先を温めてくれる人なき師走
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人間と関係しなきゃ暴かれることはなかった海岸がある
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たましいをひとりで抱えられなくてどろどろ出てるみっともないな
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のしのしと他人の庭を踏む猫よ 冬に負けるないつでもおいで
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僕たちがそっと視線を向けたのは満員電車に落ちたのど飴
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数々の「意味」「目的」に突き刺され横断歩道を渡るひとたち
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あかねさす もみじ 広がる道行けば ふと食べまほしフライドチキン
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月の如く 二番の顔を 見せぬ君 言いし時にぜ 吾は世に居ぬか
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住むひともなくて荒れたる庭なれどいま盛りなりさざんかの花
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この頃の 雪降りたるは 静かなり 吹雪く日待ちて 歩く日々旅
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秋も去りひっつき虫だけ残る冬 毛に絡ませて命運ぶ犬
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馬鹿だから知らない君のことで泣く ガラスの靴は私のじゃない
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言い聞かせる「恋じゃないの」違うって 涙を拭う君ではない手
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詠めるのは他人ひとに刺さらぬものばかり 壁打ちをするいつだってひとり
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波流る 瀬に打つひれの 水飛沫 橋下きゃかの宿りは 火も起こせぬよ
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散りぢりになれども尽きぬ想ひゆゑ 一枚ひとひらだにも君がもとへと
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目も合はず夜闇に浸る時にこそ 我が身の温きことを我知る
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知られじな夜もすがら吹く木枯らしに散るもみぢ葉のつもる思ひを
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走り去る仔猫見かけて心憂く 寒空の下たった一匹
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「勘吉」と名付けられたる他人ひとの犬 顔出し見れば優しきチワワ
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バスの椅子温くなる時期参ります 行き先不明優しい夢を
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はじめてを奪ったやわいくちびるが死ぬほど好きだから死んでくれ
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やはらかに寄せる光に 包まれて ながきまつげの 影さへいとし
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鈴の音に 子めく心をときめかせ 飾り煌めく夜を待ちたる
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‪二人いる隣の席の高校生笑ってるから目を伏せていた‬
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