真似をして 周りと合わせ 生きてきた 第二章を さあ、はじめよう
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どのように割り切ろうとも割り切れぬ数字は素数に想いは詩に
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通り雨追い越すために駆けていく生足が履く偽クロックス
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どこへ行く?どこへでも行く明日には 今日は最後の正しい私
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思い出す 風運び来る 花の香に 季節にいつも 匂い有ること
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水槽に繋げられては快楽を得る脳だらけ、単為生殖
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大切な金魚の涙に気付けない馬鹿な大人になってしまった
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買い替えの季節にどっと現れるスーツ姿をしている新品
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小鍋から麺をすくって食べている 救いでしょうか?いいえ誰でも
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本当の春があなたと共に去り小花をぎゅうと踏み潰す日々
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愛してるその一言を言わないで去ってゆくのも愛かもしれない
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美少女と小鳥は餌をやらなけりゃすぐ死ぬんだと飼ってわかった
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陽だまりの特等席を定位置に老猫まどろむ耳を立てつつ
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最後まで残った手札のジョーカーが泣いているのを見てしまった
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歩道脇車停らぬ渡られぬ「うちらに魅力ないから?」と友
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憂鬱な 心の奥の 桜花 散りゆく様は 去年のままだ
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「完璧じゃないものが好き」そう言うと寂しく帰った空飛ぶお椀
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女の子は一人だとすぐしんでしまう 鯉のように群がらなきゃだめ
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混ざりあう感情もどこか穏やかでパステルカラーが溶ける夕空
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清教徒革命というくちびるの動きだけでも覚えていたい
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人生も方向音痴な我の為ナビが理想へ案内あないせぬものか
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足元に見向きもしないひとだった 窓辺のすみれ誰が挿したの
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標識の父子おやこのように手を繋ぎ夕焼けゆやけにあなたと歩きたかった
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黒踏めば良い知らせ来ない気がして大股歩きの横断歩道
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みずからを発熱させて咲くという座禅草から目覚める水辺
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宛先はアルファベットの五ー六番その間にて暮らしています
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「ずっこい」と言われないため裏庭でずっこいことを色々やった
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微睡みに 溺れ頭を 振ってみても もう消えてしまう ことはないから
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願いたい 君の幸せ思えども こころの中は 黒く渦巻く
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隣には 俺がいらない現実に 気持ちの波に のまれて沈む
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