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照れ隠しくるりと回り背を向ける 溶けた笑顔ととがらせた口
6
球
(
きゅう
)
を極む蒲公英の
絮
(
わたげ
)
は支度終え佇みて待つ旅立ちの風
4
黒い渦 俺の壊心
(
こころ
)
を横断中 いつになったら 熱帯低気圧
(
いなくなるのか
)
3
ふつふつと 酒は
醸
(
かも
)
して 蔵人の 一所懸命 実りゆくなり
7
真似をして 周りと合わせ 生きてきた 第二章を さあ、はじめよう
4
どのように割り切ろうとも割り切れぬ数字は素数に想いは詩に
13
通り雨追い越すために駆けていく生足が履く偽クロックス
4
どこへ行く?どこへでも行く明日には 今日は最後の正しい私
8
思い出す 風運び来る 花の香に 季節にいつも 匂い有ること
13
水槽に繋げられては快楽を得る脳だらけ、単為生殖
2
大切な金魚の涙に気付けない馬鹿な大人になってしまった
5
買い替えの季節にどっと現れるスーツ姿をしている新品
1
小鍋から麺をすくって食べている 救いでしょうか?いいえ誰でも
2
本当の春があなたと共に去り小花をぎゅうと踏み潰す日々
3
愛してるその一言を言わないで去ってゆくのも愛かもしれない
7
美少女と小鳥は餌をやらなけりゃすぐ死ぬんだと飼ってわかった
3
陽だまりの特等席を定位置に老猫まどろむ耳を立てつつ
17
最後まで残った手札のジョーカーが泣いているのを見てしまった
4
歩道脇車停らぬ渡られぬ「うちらに魅力ないから
?
」と友
5
憂鬱な 心の奥の 桜花 散りゆく様は 去年のままだ
8
「完璧じゃないものが好き」そう言うと寂しく帰った空飛ぶお椀
5
女の子は一人だとすぐしんでしまう 鯉のように群がらなきゃだめ
3
混ざりあう感情もどこか穏やかでパステルカラーが溶ける夕空
8
清教徒革命というくちびるの動きだけでも覚えていたい
4
人生も方向音痴な我の為ナビが理想へ
案内
(
あない
)
せぬものか
3
足元に見向きもしないひとだった 窓辺のすみれ誰が挿したの
14
標識の
父子
(
おやこ
)
のように手を繋ぎ
夕焼け
(
ゆやけ
)
にあなたと歩きたかった
10
黒踏めば良い知らせ来ない気がして大股歩きの横断歩道
7
みずからを発熱させて咲くという座禅草から目覚める水辺
14
宛先はアルファベットの五ー六番その間にて暮らしています
3
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