戒名などを考える 真夜中に目の覚めて眠れず
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20℃の気温にも残る軒下の雪塊愛し 冬の足あと
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朝起きて 夜に外した 「仮面」付け 普段と変わらぬ 俺を演じる
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「愛してる」 云えなかったな その言葉 ずっと君らを 見守ってるよ
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母子ともに 健やか育て 「宝物」 はやくみたいな ふたりの笑顔
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この心傷きずは 君を去らせた俺の罪 君を泣かせたつぐないの罰
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ひとりだけ超過勤務をなし終えて枕に残ったカルマで寝ます
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絵に描いた餅も通らぬこの喉が、乾いて叫び呼吸が止まる
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祈りとは意を宣ることと今日知れり口に出さねば叶わないのか
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「助けて」と「すごいでしょ」とが渦を巻く電子の海に浮くボロ筏
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毒林檎食べたフリして不貞寝する いつになったら起こしてくれる?
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引き絞るウィリアム・テルの指先が果実を目指し涎を垂らす
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パンを消しゴムがわりに食い写した今日の出来事「何もなかった」
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誰かが当たりを偽造した話でいつもドン引く駄菓子屋トーク
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いつ会ったかも知れぬ人から届くLINEギフトのコーラ一本
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置物のようなハートのマーク指し「いいね」と名づけた人を恨む
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開くドア無数に転がる一人部屋、仮想の誰か待ち朝がくる
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コンビニで食べたくもないポテチ買い、インターネットで男見つけた
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がばがばと おさつくばった 黒田あと きんゆうひきしめ 不況にもどるか
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斜め前黒髪さんの頬杖は六Bだから消しきれないや
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きみのこと 好きになっていい って言うなら その時だけね 見ていていてね
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これいじょうやさしくしないであたしのこころはもうげんかいなんだから
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早咲きのたんぽぽはもう旅支度 今か今かと吹く風を待ち
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日本に チャットAI 会社くる 欧米くらべ 規制がゆるい
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何気ない 君からくれる LINEがね 今の俺のね 安定剤クスリなんだよ
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見送りに出なくても良いとドアの外遠のいて行く君の足音
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照れ隠しくるりと回り背を向ける 溶けた笑顔ととがらせた口
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きゅうを極む蒲公英のわたげは支度終え佇みて待つ旅立ちの風
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黒い渦 俺の壊心こころを横断中 いつになったら 熱帯低気圧いなくなるのか
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ふつふつと 酒はかもして 蔵人の 一所懸命 実りゆくなり
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