かりに来む鶉の床に秋暮れて霜に枯れゆく深草の里
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艶めいた上唇の黒子まで引き寄せられるブラックホール
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牛飼いに問えば指さす桃李の村今夜の酒はそこに決めよう
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後輩に渡せなかった紅茶煎れ、もらったお菓子といただく時間
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街に出て見上げてみれば黄葉もみぢせるメタセコイヤは空に突き立つ
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われを憎む妹たちの夕月を洗面器にて保存し眺む
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耳鼻科医は いそがしそうに ひとつまみ 「奥は化石だ 溶かして来週」 /耳垢記前編
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取り放題ペース配分間違えてデザートのよに食べるタクアン
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昔よく通った店で昼食を 讃岐うどんの麺の太さよ
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公園で遊びまわった翌日の松ぼっくりが転がる車中
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新聞の年相応の人を見てバックミラーで目元比べる
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気苦労の面倒くささとボケ防止 秤にかけつつ今日も出勤
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あの時に 買っておけばよかったと 不意に襲う買わぬ後悔
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血をわけた小さなひとみ稚児は睨む力を込めて地平のさきを
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生き辛い世の中だから バーチャルな 短歌の中に浸る幸せ
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丸型のベッドの端に あごを乗せ 眠そうなねこ オヤツの夢見る
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美味くない…失敗したのではなくて体調が悪いことにする
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取り込んだジーパンぐいっと裏返すこれがなかなか力要ること
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一陣の 旋風つむじ舞いく 駅伝の 野菊揺らして 秋走るひと
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すさぶ夕べの峰の梢より谷に響きて猿叫ぶ声
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いはほより雲を見下ろす荒鷲のしろがねの夕霜ぞ置く
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本能寺消火活動参加する夢を見ました(がんばりました)
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専用のスポンジ使い茶渋取り スッキリとする月曜の朝
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一瞬のブームが去ってまた片し電池抜かない玩具が喋る
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散らかった朝の都会は夜残し鳩はのほほん私は会社
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サンタさん私服で仕入に来てるけど隠せないのがおヒゲとお腹
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三人の娘集まり幸せや三度言う父お喋りで隠す
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Kissして」を歌い終え君眺めれば漆黒のの住人、私
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晩秋も 朝の冷え込み いと寒し 襟巻き厚手 もはや必須なり
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茶ブレザー 襟巻き巻いて 駅歩く 少女ももはや 冬に備えん
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